「おかあさん、どっかいくの？」
「いつもるすばんしてるだろ、ハナ」
「だって、どっかいっちゃうよ」
「しょうがないな、ハナは….」
におい
オイラがこのうちにきたときは、ネコはいなかった。
でも、すぐわかったんだ。ネコはいたんだって。
つめとぎのあともあったし、といれもきれいになってたし、おとうさんやおかあさんの着ているものにも、いえぜんぶから、ぜったいにかわいがってもらったっていう『におい』がしたんだよ。
それをオイラはわかってたから、あっというまに居ごこちがよくなって、くーくーねちゃったんだ。
ハナはさいしょ、オイラにびくびくしてたけど、たぶんおんなじ『におい』がわかったんだ。
うんどう
「にいちゃん、おスモウやろうよ」
「おまえ、しつこいんだもん」
「せーの、はじめ！」
「どうだ、まいったか？ ハナ」
「にいちゃん、まいった？」
「….まいった」
「ほんきだしてよ、にいちゃん」
「………」
おいしいゴハン
オイラはゴハンをたべているときがいちばんしあわせ。どっちかっていうとサカナが好きだけど、ときどきおかあさんがゴハンのあとにくれるあかーいトマトっていうのや、みどりのブロッコリっていうのも好きだニャぁ。ハナはきたばっかりのとき、ゴハンたべながら『おいしい！ おいしい！』っておおきなこえでいってたニャぁ。ハナはウチにくるまえはきょうだいがたくさんいたので、きっとひとりでじぶんのゴハンをたべるのがうれしかったんだろうニャぁ。でもオイラのゴハンよこどりしないで、ハナ。
みず
みずってふしぎだなぁ。ボクはおかあさんがみずをだすのが待ちどおしいんだ。みずのでているところへいって、つかまえようとするんだけどつかまえられない。みずは飲むとおいしいけど、においがしないんだ。ボクがみずをつかまえようとしていると、おとうさんがきてつれていっちゃうけど、ボクはまたみずをつかまえにいくんだ。
といれ
ハナがきてから、といれがふたつになった。でもハナはすぐにオイラのといれでおしっこした。オイラもハナのといれでうんちした。ハナはじぶんのといれでうんちしてオイラのといれでおしっこする。オイラはじぶんのといれでおしっこしてハナのといれでうんちすることがおおい。オイラはきれい好きだから、ハナがしたうんちのばしょがいつもオイラがしたいばしょにあるとやりづらい。そういうときはじぶんのといれでうんちする。うんちするまえはオイラもハナもじっとしてられなくて、なんかはしりまわりたくなるんだよニャぁ。
モモコの好きなばしょ1
オイラは『くるくるイス』のうえがお気にいりなんだ。だってからだを丸めて目をつむると気もちいいし、おとうさんがあまいおかしをとりにいくときの通りみちにあるからすぐにおりておねだりできるし。ハナがくるまえまでは、『くるくるイス』のうえはオイラのばしょだったのに、いまはハナによこどりされちゃったったんだよニャぁ。しかたないから、おかあさんがネズミをなでているそばにある『くるくる』ぢゃないイスでねてるんだ。ハナ、もいっかい『くるくるイス』でねたいんだけど… おねがいだから『くるくる』ぢゃないイスまでよこどりしないで。
ハナのひとりごと
ボクのこと、おとうさんやおかあさんは「ハナ」ってよぶ。ボクはにいちゃんとあそぶのが大好き。にいちゃんは「ウゥ〜 ミャァ！」っていってすぐに追いかけっこしてくれるんだ。でもボクが追いかけるばっかりで、どうしてにいちゃんはボクを追いかけてくれないんだろう？
にいちゃんはボクがゴハンをたべたあとでも、ゴハンをわけてくれる。にいちゃんのゴハンはボクのゴハンよりサッパリしてるかんじがする。でもゴハンをわけてくれるにいちゃんのこと、ボクは大好き。
おとうさんはいつもボクをだっこしてくれるけど、おかあさんはにいちゃんのなまえを呼んでばっかり。にいちゃんはおかあさん子なんだなぁ。あぁおなかへった。ゴハンまだかなぁ？
