高校時代、それまで名盤を聞き込むことに時間を費やしてきた中で、臨場感というものを味わうような音に巡り会わなかったわけではありませんでしたが、Rudy Van Gelder による Englewood Cliffs でのリバーヴの効いた Blue Note レーベルのサウンドこそがジャズや! ファンキーや! ハードバップや! と思い込んでた耳に、ライブ録音の新鮮な躍動感がいかに爽快な青春のカタルシスをもたらすか、を実感したアルバムがこれです。
GJTの誕生は、鯉沼さんを始めとした EAST WIND レーベルの吟味の結晶であり、日本発の日本人が愛してやまないジャズ製作の形として日米の一流ミュージシャンを起用した極めて完成度の高い演奏を提供する金字塔となった企画でした。
後年、私が運営に携わったジャズクラブに Hank Jones が出演してくれた際に言っていた、
「70歳を過ぎた今も、1日練習をサボると自分で分かるし、3日やらないと妻が気づく。1週間だとお客さんに分かってしまう」
という言葉。そんな信念をもって音楽と向き合っているんですね。
Parkerの1. のっけから『ピアノトリオ斯くあるべし』といえる好演となっています。
Hank Jones (Piano)
Ron Carter (Bass)
Tony Williams (Drums)
Recorded Feb. 19-20, 1977
1 Moose the Mooche (C.Parker)
2 Naima (J.Coltrane)
3 Favors (C.Ogerman)
4 12+12 (R.Carter)