想い出の写真

Withpat

この写真は、1993年10月にNew York の Village Vanguard での Joshua Redman Quartet のライブを見にいった際にラストセットがはねた後撮ったものです。

楽屋で drums の Billy Higgins とも挨拶させてもらいました。みんなす〜んごくいい人たちでした。「WISH」というアルバムリリースに合わせたツアーで、 Boston を皮切りに Florida まで各都市を南下した後に、内陸に入っていくスケジュールだったと思います。
実は、この時彼らの日程に合わせたように Boston から移動していたため、「どこかで絶対ライブが見たい」と思っていたんですが、実現できました。

帰国後いろんな人に、あの Pat Metheny と一緒の写真だよ、と言って見せても
「ふ〜ん」
という反応だったので、この人ならわかるな、という方以外には見せるのをやめました。ま、私も誰かにジャニーズのお兄ちゃんと一緒の写真を見せられても、「ふ〜ん」と言うでしょうが。

そらみみさん、公開しましたよ。

Gary Peacock Tales of Another

前エントリにて我慢ができなくなったため、お宝を披露することにしました。私にしてみれば全 Jazz アルバム(というより今まで聴いてきたものすべて)の中で(よく考えたら)ベストがこれです。

語ることが多いので長文ご辛抱ください。
ライナーノーツで触れられていますが、Gary Peacock という人は piano は習ったけど bass は「なぜだかわからないのだが、初めて手にした時から両手で正しく弾くことができた。そんなわけで bass を習ったことは一度もない」などと首を傾げたくなるようなことを言っています。真偽はともかく、本作よりだいぶ前に日本にも滞在していたことがあり(確か京都あたり)、それ自体が隠遁を仄めかすような生活だったらしいなど、ミステリアスな側面を持っている人なのです。

高校生の頃にこのアルバムを初めて聴いた時、内省的な寒々しいサウンドだなぁと感じました。ECMらしい欧州くささと言うのか、Jack DeJohnette のシンバルレガートの刻み音がよりスタジオ内の空気に緊迫感をもたらし、Jarrett の唸りとともに「怒り」ともとれない「鬱屈」したマイナー調の音による物語が展開されていました。しかし、聴き込んでいくうちに、特にTrilogy の3部作全編に流れる言い表せないような「熱」を徐々に受け止められるようになっていったのです。
Trilogy は、LPではB面すべてに収録されており、20代の頃に行った吉祥寺の「A&F」という Jazz 喫茶(閉店したそうです)にてリクエストをした時のことは忘れられません。この店は、入り口近くのレジでリクエストを告げるのですが、この場所が何というか、ちょうどパチンコ屋の景品引換所の窓口(普通はビルの裏手とか別の所にある)のような雰囲気の作りになっていて、ちょっと屈んで店主に小声で伝えるんですね。

私 『Gary Peacock の Tales of Another を』
店主『…B面ですね』

たったそれだけの会話でしたが、それがすべてでした。この店では、暗く調光した店内の高級スピーカーが何台も配置された壁に、照明を仕込んだ小型の看板がいくつか掲示してあり、選曲によって使用されるアンプやピックアップカートリッジ等のメーカー名が変わる毎に点灯したり消灯したりするという、かなり凝った演出が施されていました。この曲がどの組み合わせで再生されたかはもう覚えていませんが、新たなニュアンスの発見ができるのに十分な音響だったことは確かです。

さて、この trio は後に Jarrett のリーダーユニットとして「Standards」という呼び名の元に、数々のスタンダードナンバーを演奏していくことになるわけですが、1996年の秋に New York へ行った時は Carnegie Hall のメインホールでこの trio の演奏を聴く機会に恵まれました。Center Balcony というステージをまるで真下に見下ろすような席(前日にゲットしたチケットだったもので…)からでしたが、ニコニコしながら楽しそうにMCをする Jarrett を見ていると「ああ、今のこのユニットには Tales of Another の鬼気迫るような演奏を求めてはいけないんだな」と思ったものです。もちろん、この日の演奏自体は申し分ない素晴らしいものでしたが、本作のインパクトがどれほどのものかを思い知るエピソードになりました。

色々とダラダラ書き連ねてしまいました。私が言いたいのは、絶対にBGMにして欲しくない、(押しつけがましいのを承知で)しっかりと対峙して聴いていただきたい、そういうことです。

Gary Peacock – bass
Keith Jarrett- piano
Jack De Johnette – drums

1. Vignette 7:02
2. Tone Field 7:55
3. Major Major 8:54
4. Trilogy I 8:31
5. Trilogy II 8:42
6. Trilogy III 6:20

Gary Peacock, Jack DeJohnette & キース・ジャレット - Tales of Another

Keith Jarrett Köln Concert

 

piano というものを、ある一つの最高の表現方法で形にした Jazz 史上に残る名作です。

Return To Forever 同様、正統派の Jazz ファンからは色々ご意見がありましたが、これを作品として認めないのは人間としてどうかと思います。極めて、極めて美しい時間がそこにあります。
Art Blakey の Jazz Messengers を皮切りに Miles Davis Group への参加を経て、’71年の「Facing You」を残した Jarrett は、’73年にブレーメン・ローザンヌでのソロライブを収めたアルバムを発表して創作活動の幅を広げました。Miles Davis Group での楽旅の際に出会った ECMレーベルの社長であり、Producer である Manfred Eicher が Jarrett の才能を開花させたといえるのがこの「完全な即興」スタイルなのです。事前の作曲は一切なく、コンサートホールで piano に向かって初めて音を紡ぎ出すという、まさに完全なるインプロヴィゼーションの世界での出来事です。

各楽曲は説明するまでもなく、彼の piano に対するひたむきな愛情であり、古典音楽の素養も含め Jarrett 独自の空間を創り出しています。私は、全編にわたって楽曲の音の連なりをほぼ一音たりとも残さず覚えてしまったクチです。
この後に個人的に Jazz のアルバムでベスト3としている「Tales of Another」(後日必ずご紹介)を作ることになりますが、Keith Jarrett を万一ご存じなければどうあっても聴いていただかないと困る作品が本作です。

Keith Jarrett (p)

1.KÖLN, January 24, 1975 Part I    26:15
2.KÖLN, January 24, 1975 Part II a  15:00
3.KÖLN, January 24, 1975 Part II b  19:19
4.KÖLN, January 24, 1975 Part II c  6:59

キース・ジャレット - The K?ln Concert

Astor Piazzolla Tango: Zero Hour

今回は少し異色のセレクトです。Astor Piazzolla 五重奏団による Piazzolla の最高傑作といわれる作品をご紹介します。

最初に聴いた時の衝撃は、「いかに自分は無知だったか」ということを思い知らされたことでした。Piazzolla の名前はずっと昔から知っていましたが、なかなか作品に手が出ず「Tango の破壊者」が一体どんな演奏をするのか想像の域を超えないでいました。楽器としての Bandoneon についても同様でした。
1986年New York録音の本作は、すべてにおいて非の打ち所のない Piazzolla の世界を堪能できます。1.の、騒然としたサウンドエフェクトから緊張感あふれるテーマ〜激しいアンサンブル〜静寂〜再びテーマ、と繰り返していく官能的とも言える構成とともに舌を巻く各奏者のテクニックによって一気に引き込まれてしまいます。さらに有名な 2.、3. や guitarとのユニゾンが美しい 7. など、Piazzolla の魅力を存分に味わうことができる一枚となっています。

本作には収録されていませんが、映画「Shall We Dance?」や自動車のTV CMでも使われた「Libertango」などは、誰しも耳にしているはずで全く聴いたことがないという方はむしろ少ないと思いますが、tango と意識して構えるのでなく上質の Combo 演奏がたまたま Latin フレーバーだった、という感じで楽しめるのではないかと。producer は Kip Hanrahan、同じ年には Gary Burton との共演盤もあります。

Astor Piazzolla (bn, arr, dir)
Fernando Suárez Paz (vn)
Pablo Ziegler (p)
Horacio Malvicino (g)
Héctor Console (b)

1. Tanguedia III
2. Milonga del ángel
3. Concierto para quinteto
4. Milonga loca
5. Michelangelo ’70
6. Contrabajíssimo
7. Mumuki

Horace Silver And The Jazz Messengers

ハードバップ、ファンキー路線の決定版の登場です。

1950年代半ば、ビバップの祖 Charlie Parker が没したのを境に一世を風靡したハードバップ Jazz。その最大の牽引者が Horace Silver です。彼の piano は Bud Powell 譲りの、コードというより低音域を叩くような独特の左手とバラエティに富んだフレーズを繰り出す右手の躍動感が特徴で、また楽曲のアレンジ能力も非常に高く、ワクワクする構成の名曲を多数生み出しています。

本作は、何といっても 1.Room 608 が最高です。こういう、いつ聴いてもスカッとさせてくれる曲に出会うことは人間が生活していく上でかなり重要ではないか、としみじみ思うのですが。Silver 名義では他に「Blowin’ The Blues Away」という若手をまとめ上げた作品も外せないのですが、本作の場合 The Jazz Messengers の初代 pianist として、またブームの火付け役としての重要性を考えると充分イチオシする価値があると判断しました。

KENNY DORHAM, trumpet
HANK MOBLEY, tenor sax
HORACE SILVER, piano
DOUG WATKINS, bass
ART BLAKEY, drums

1. Room 608
2. Creepin’ In
3. Stop Time
4. To Whom It May Concern
5. Hippy
6. Preacher
7. Hankerin’
8. Doodlin’

Horace Silver and the Jazz Messengers - Horace Silver and the Jazz Messengers

Junior Mance JUNIOR

piano trio の魅力というのは、結局3人の息がいかに合っているかということになるかと思います。ピッタリ合った演奏に出会った時に感じる官能的とも言える感覚を感じられるかどうか。

私が最初に 3.Whisper Not を聴いた時に感動したのは、その息の合い方に極まった感があることでした。サイドメンも申し分なし、Blues フィーリングに至っては 9. のように他の追従を許さないコロガシもあり、4. Love For Sale のように速い曲でも幸せな気持ちでノれるのは誰よりもこの3人が息が合っている証拠でしょう。これらは、Ray Brown の bass がなかったら決して為し得なかったはずです。

Jazz Bass の3大巨人と称されるのは、Oscar Pettiford・Charles Mingus・Ray Brown と言われています。なかでも Ray Brown は最もキャリアの長い一流ミュージシャンとして輝かしい経歴を持っていますが、それだけにこんな逸話があります。
大ホールでのコンボの演奏の際、Pickup マイクを付けずにプレイし、2階席でさえもしっかり bass 音どころかスウィング感さえ迫ってきたというのです。Contrabass で生音を響かせることが簡単でないことは当然ですが、ただ単にデカい音を出せば良いわけではないし、ましてや2階席までスウィングさせるなんてこの人以外にできる芸当ではないんですよね。こういう人は世界人間国宝に認定すべきです。本当に。

Junior Mance (p)
Ray Brown (b)
Lex Humphries (ds)

1.Smooth One (Goodman, Royal) 3:29
2.Miss Jackie’s Delight (Wright) 3:54
3.Whisper Not (Golson) 4:22
4.Love for Sale (Porter) 4:26
5.Lilacs in the Rain (DeRose, Palish) 3:42
6.Small Fry (Carmichael, Loesser) 4:08
7.Jubilation (Mance) 3:31
8.Birk’s Works (Gillespie) 5:45
9.Blues for Beverlee (Mance) 7:54
10.Junior’s Tune (Mance) 3:33

Junior Mance - ジュニア

Quincy Jones Sounds…Stuff Like That

多感な高校時代に Jazz ばっかり聴いていた若者は、渋いサウンドだけを追求していたわけではありません。ノリのいい音にも当然反応しました。

Quincy Jones の功績についてはいずれ場を設けるとして、この名作のことについて少しばかり解説を。
ノリがいい、といっても今時の音と比べると「えっ」って感じかもしれません。それでも構いません。だって、当時このメンバーで(いわゆるStuff中心の)さらに実力派を呼び寄せて構想通りの演奏をされられるなどというのは、Quincy Jones おいて他にいなかったでしょう。メンツをご覧ください。どうやったらつまらなくできるんでしょうか? vocal 陣だけでも途方に暮れるくらい凄いし、どうやって集めたの?って思います。バブリーですね、大作映画一本撮れちゃいますよ。

1.の後半の Chaka Khan を聴いてどうでしょう。稲作系遺伝子をも揺さぶるこの Funky さ。これ聴くとグルーヴ感の違いって東洋人は手も足も出ないことを思い知ります。さらに目玉の 4. ですが、Herbie Hancock の曲で Hancock 自身が弾いたRhodesのソロパートを、Jones の片腕である Sy "Human Xerox Machine" Johnson という人が完璧に採譜して音符に起こし、それを Harry Lookofsky という violin 奏者が Hancock の音に見事にかぶせて弾ききっているのです。
そういった仕掛けへのカラクリがリスナーの頭にあったとしても、曲中盤から効果的に入ってくる handcraps や Gadd 他リズム隊によるテンションの高揚に、じっとしていられなくなる衝動に駆られるに違いありません。音作りの魔術と言ってもいいです。
今でも時々聴くと、冒頭のイントロでどんな気分も自動的にノリノリにスイッチを切り替えてくれる魔法を持った素晴らしい作品です。

Nickolas Ashford (vocals, percussion); Yolanda McCullough (vocals, background vocals); Gwen Guthrie, Luther Vandross, Patti Austin, Tom Bahler, Valerie Simpson, Vivian Cherry, Chaka Khan, Charles May (vocals); David T. Walker, Eric Gale, Melvin Watson, Wah Wah Watson (guitar); Gayle Levant (harp); Tom Scott (lyre, flute, soprano saxophone, alto saxophone, tenor saxophone, lyricon); Jerome Reisler, John Wittenberg, Wilbert Nuttycombe, Carl LaMagna, Marvin Limonick, Betty LaMagna, Connie Kupka, Israel Baker, Arnold Belnick, Nathan Ross, Sheldon Sanov, Harry Bluestone, Harry Lookofsky (violin); Meyer Bello, David Schwartz, Leonard Selic, Samuel Boghossian (viola); Gloria Strassner, Dennis Karmazyn (cello); George Young (flute, saxophone, alto saxophone, tenor saxophone); Hubert Laws, Jerome Richardson, Bill Perkins, Bud Shank, Buddy Collette (flute, saxophone, tenor saxophone); Harold Vick (saxophone, trumpet, flugelhorn); Howard Johnson (saxophone, tuba); David Tofani, Harold Fick (saxophone); Michael Brecker (tenor saxophone); Jon Faddis, Virgil Jones (trumpet, flugelhorn); Chuck Findley, Bill Lamb, Oscar Brashear, Snooky Young (trumpet); Arthur Maebe, David Duke, Sidney Muldrow, Aubrey Bouck, Henry Sigismonti (French horn); Donald Waldrop, Jimmy Cleveland, Robert Payne, Bill Watrous, Charles Loper, Chauncey Welsch (trombone); Alan Raph (bass trombone); Roger Bobo, Tommy Johnson (tuba); Herbie Hancock (piano, electric piano, keyboards); Richard Tee (piano, organ, keyboards); Clark Spangler (synthesizer, programming); Michael Boddicker (synthesizer); Anthony Jackson (bass guitar); Steve Gadd (drums); Ralph MacDonald (percussion); Zachary Sanders, Bill Eaton, Frank Floyd (background vocals)

1. Stuff Like That 6:17
2. I’m Gonna Miss You in the Morning 3:31
3. Love, I Never Had It So Good 5:14
4. Tell Me a Bedtime Story 6:46
5. Love Me by Name 4:10
6. Superwoman (Where Were You When I Needed You) 5:26
7. Takin’ It to the Streets 4:24

Sarah Vaughan Crazy and Mixed Up

vocal です。やっと大御所の紹介となります。ただし、この Bistro では単なる名盤は出しません。

25年以上も前ですが、このアルバムにある「枯葉」を聴いて度肝を抜かれました。なんすか、これ? Miles Davis も Bill Evans もこんな「枯葉」発想もしなかったんではないでしょうか。
「Lullaby of Birdland」も「A Lover’s Concerto」もどうでもいいので、この「枯葉」だけ生で聴けたらこの人の偉大さがすべて分かるのではと本気で思いますね。今回はその他の楽曲については言い及ぶつもりはありませんし、そんなのどうでもいいです。「枯葉」だけ配信で買えればいいのに、とさえ思います。全編スキャットで通して、お馴染みのメロディも全然出てきません。おまけにコッぱやいので、ボンヤリしてたら「あれ、枯葉入ってた?」なんてことになるくらいです。

なんにしても、気になる方は要チェックですし、「あ、エラ・サラはね」という方でもこの人がやっぱりトンでもない vocalist だったことが今サラながらに分かるのではないでしょうか。

Sarah Vaughan (vo)
Joe Pass (g)
Roland Hanna (p)
Andy Simpkins (b)
Harold Jones (ds)

1. I Didn’t Know What Time It Was
2. That’s All
3. Autumn Leaves
4. Love Dance
5. The Island
6. Seasons
7. In Love In Vain
8. You Are Too Beautiful

Arista Allstars Blue Montreux

本当の Fusion はここから始まった、といっても過言ではない永遠の名作です。ご存じの方にとっては、何をか言わんやと思いますが。

1980年初頭に、Jazz系のミュージシャン志望の人たちがこぞってコピーしまくったことから、このアルバムはある意味で当時の"バイブル"といってもいい作品です。
ひと言でいって、『カッコいい!!』 これ以外に当てはまる言葉はないですね。映像も残っていますが、サウンドのみで味わった方が数段感動できること請け合いです。名演の出現確率が抜群に高い Montreux Jazz Festival の中でも歴史上、三本指に数えられるほど優れた演奏が展開されています。

私は、1.の Mike Mainieri の Vibraphone が大好きです。Brecker兄弟はもちろん素晴らしいですが、Tony Levin の Stick がこんなにマッチした曲は他に見あたりません。危なっかしい Steve Jordan の drums もすんでの所で何とかウルトラCをキープしています。ライブの一発勝負でこのクォリティは奇跡でしょう。Randy Brecker 作の 2.も難しいMode曲ながら Larry Coryell の guitar が効いてます(このソロ、トチったら大変なブチ壊しになるでしょうね)。名曲「I’m sorry」の Michael Brecker のブロウも素敵です。

『カッコいい』曲の定義は人それぞれ違うだろうし、時代によっても変わるのは当たり前です。しかし、この Blue Montreux は豪華なメンバーがただ顔を揃えて一緒にやりました、というのとは全く違う、一流ミュージシャンの実力とはどんなものかを見せつけた Jazz 史上に残る傑作なのです。

Mike Mainieri (Vibraphone, Percussion)
Warren Bernhardt (Piano, Keyboards)
Larry Coryell (Guitar)
Steve Khan (Guitar)
Michael Brecker (Sax)
Randy Brecker (Trumpet)
Tony Levin (Bass, Stick)
Steve Jordan (Drums)

1.Blue Montreux(Mainieri) 8:50
2.Rocks(R.Brecker) 7:57
3.I’m sorry(Mainieri) 8:41
4.Magic Carpet(Mainieri) 5:37
5.Buds(R.Brecker) 5:02
6.Floating(Bernhardt) 7:57
7.Virgin and the Gypsy(Mainieri) 8:25

Red Garland The P.C. Blues

Red Garland といえば、Groovyが真っ先に頭に浮かぶと思います。本作は、どちらかというと企画盤に近いのでご存じの方は少ないかもしれません。

表題の「P.C.」は、もちろん Paul Chambers のこと。30代半ばで急逝した Bass の名手への追悼盤となっており、録音時はリリースされる12年前となります。1.のみ Philly Joe Jones の drums で曲自体も Miles Davis の Prestige マラソンセッションの一つ「Workin’」のものと全く同じものです。他の曲はすべて Arther Taylor との録音ですが、これが「Groovy」よりグルーヴィな名演揃いなのです。

後に Philly Joe Jones との Trio が "The Rhythm Section" と呼ばれ西海岸で Art Pepper (as) と共演するなど有名になりましたが、どちらかというと Taylor とのコンビネーションのほうが完成度は高いと思います。それは 4.Tweedle Dee Dee や 5.の表題曲を聴けばわかるでしょう。決して Jazz史に残るようなアルバムではありません。リラックスしたい時、気持ちの良いスゥイング感を味わいたい時に最適な一枚としておすすめします。

Red Garland (piano)
Paul Chambers (bass)
Art Taylor (drums)
Philly Joe Jones (drums,only-1)

1.Ahmad’s Blues 7:29
2.Lost April 6:26
3.Why Was I Born? 5:49
4.Tweedle Dee Dee 13:18
5.The P.C. Blues 9:53