Claus Ogerman & Michael Brecker City Scape

すみません。ご存じありませんよね? でも紹介させてください。

私も数々の音楽を聴いてきましたが、ハッキリ言います、これ自分のベスト5に入ってます。『なんで? ただのストリングス入りの企画盤でないの?』とおっしゃるんでしょうね、ちょい聴きのかたは。
『あそっか、Michael Breckerがやってるからねぇ〜』という、もはや偏見に近い見方もあるのでは?
断固として申し上げます。これを聴いて感動しない人は音楽というものを理解してない、と(言い過ぎです)。

騙されたと思って聴いてみてください、2.Habanera のリズムセクションによるストイックな中盤からラストへ徐々にテンションが上がっていく様を…(この間 Michael 抜きです、えっ?) 全体を覆う重厚とは言い難いけど絶妙な Ogerman によるアレンジが、古典音楽に慣れ親しんだ向きにも、すっと胃の腑に落ちる瞬間があるはずだと思うのですが。メインとなる後半は、これまた組曲風に Brecker の魅力を最大限に引き出し、尚かつストリングスの美しさを哀しく儚く表現した絶品となっています。

Ogerman はブラジル音楽の功労者なのですが、このアルバムのプロデゥーサー(プロデューサーは和風に読みすぎ)である Tommy Li Puma の要請で Michael Brecker とのコンビを実現し、このような傑作を誕生させたのでした。ジャケットは Li Puma 氏所蔵の亡命ウクライナ人画家によるものです。この作品の後にリリースされたアルバムも名作なのでいずれご紹介します。

(Sur Lie さん、必聴ですので是非レビューを!)

Claus Ogerman (arranger, conductor)
Michael Brecker (saxophone)
Warren Bernhardt (keyboards)
John Tropea, Buzz Feiten (guitar)
Marcus Miller, Eddie Gomez (bass)
Steve Gadd (drums)
Paulinho da Costa (percussion)

1. Cityscape
2. Habanera
3. Nightwings
4. In The Presence And Absence Of Each Other (Part 1)
5. In The Presence And Absence Of Each Other (Part 2)
6. In The Presence And Absence Of Each Other (Part 3)

Original Release Date: 1982

Claus Ogerman - Cityscape

7件のコメント

  1. ご指名ありがとうございます、今日仕事~リハビリ(頚椎症が再発しまして…)帰りにCDショップに寄ったら…あったんです、このアルバムが。思わず買い求めました。1980年代はこれ系の音は諸般の事情により耳に入れられない時代でしたのでまったく知らず、でもBreckerの文字に心踊りました。Brecker Brothersが参加したアルバムは聴き倒したgenerationですもの。ライナーを読んで感慨にふけることしきり。きちんとした扱いをして、丁寧なデキャンタージュをしないといけないワインのようなアルバムですね。これから幾度も繰り返し聴いて味わってゆこうと思います。逸品のご紹介、ありがとうございます。レビューはいずれ拙ブログにて。音楽ネタも出したいのですがね。ちあきなおみ止まりじゃねぇ…(笑)。

  2. シュール・リーさん
    お許しください。こんなサイトが無いものか、探してもユル〜いライナーノーツ書き写しみたいなのしか見つからず、我ら世代(失礼!)に訴えてくるものは皆無… なので無謀にもオープンしたわけです。何とぞご協力をお願いいたします。

  3. いえいえ、とても光栄です。云われてみればこういうサイトってちょっと無い気がします。ただ、Jazz barも経営していらしたCat’s-pawさんからしたら私なんざ『門前の小僧習ってない上にその経の真似事はひどいねぇ』 みたいなものなのでお恥ずかしい限りです。(笑)でも、ホントウに嬉しいですよ。周りの女子が「トシちゃーん!」「マッチィ!」とか言っている中で限られた友人達と高中正義のコンサートに行ったりカシオペアのプチ追っかけをしたり、パット・メセニーを初めて聴いて魂をさらわれたような感覚になった事などじわじわと思い出しております。

  4. シュール・リーさん
    私もすでに15年くらいは離れてますので、忘却の彼方から時々フワリと飛んでくる記憶というものに頼ってのアップです。おまけに、お客様への注文ばかり多い不調法な食堂ゆえ、お口に合わない場合もございますことをご了承くださいませ。

  5. ブラス(このアルバムではソロですが)とオーケストラの「クロスオーバー」は
    最高に好みです!実は「クロスオーバー」を聴き始めたのは「Caldera」という
    EWFの子分的なグループのファーストアルバム「SkyIsland」(1977)で、その中の
    「Seraphim(Angel)」という曲がまさにそれ、もう一目惚れならぬ一聴き惚れ
    状態でした。この時はレコードが買えず、FMのエアチェックを10年くらいずっと
    聴いていて、どうしてもレコードがほしくなった頃には廃盤、15年ほどたって
    あきらめかけた時、偶然ネットオークションでこのアルバムが出て飛びついて
    入手しました。
    ブラスとオーケストラの「クロスオーバー」が好きになった背景はさらに遡る
    1970年台初頭のフィリー・ソウルにあります。特に「MFSB」(Mother、Father、
    Sister、Brother)はその原点とも言えると思います。
    その後「Dial & Oatts / Garry Dial And Dick Oatts」(1990)というDMPレーベル
    の一枚に出会いました。これは、ブラスとオーケストラの「融合」とも言うべき
    もので、なにしろオーケストラも本気です。
    今、「City Scape / Claus Ogerman & Michael Brecker」を聴いています。
    Dial & Oattsと比べると、オーケストラが淡々としていて最初は物足りなかった
    のですが、これもなかなかいいですね!また一枚、愛聴盤が増えました。感謝です!

  6. そらみみさん
    先日ご紹介した Mel Lewis Jazz Orchestra にいますよ、Dick Oatts。DMPってダイレクトレコーディングのヤツを持ってました。
    なかなか色々聴き込んでらっしゃるようで、こちらとしても気のないご紹介はできません。気合いを入れ直してセレクトしてまいります。

  7. 確認しました!DickOatts、しかも・・・
    なんと「Dial & Oatts」に Mel Lewisがスペシャルゲスト
    で参加していました。
    Cat’s-paw さん、GaryBurtonが初期の小曽根真を評して
    「ミュージシャンっていうのは気を抜いた時にいいものが出る」と言ったそうな。
    その線でよろしくお願いします!

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