Arista Allstars Blue Montreux

本当の Fusion はここから始まった、といっても過言ではない永遠の名作です。ご存じの方にとっては、何をか言わんやと思いますが。

1980年初頭に、Jazz系のミュージシャン志望の人たちがこぞってコピーしまくったことから、このアルバムはある意味で当時の"バイブル"といってもいい作品です。
ひと言でいって、『カッコいい!!』 これ以外に当てはまる言葉はないですね。映像も残っていますが、サウンドのみで味わった方が数段感動できること請け合いです。名演の出現確率が抜群に高い Montreux Jazz Festival の中でも歴史上、三本指に数えられるほど優れた演奏が展開されています。

私は、1.の Mike Mainieri の Vibraphone が大好きです。Brecker兄弟はもちろん素晴らしいですが、Tony Levin の Stick がこんなにマッチした曲は他に見あたりません。危なっかしい Steve Jordan の drums もすんでの所で何とかウルトラCをキープしています。ライブの一発勝負でこのクォリティは奇跡でしょう。Randy Brecker 作の 2.も難しいMode曲ながら Larry Coryell の guitar が効いてます(このソロ、トチったら大変なブチ壊しになるでしょうね)。名曲「I’m sorry」の Michael Brecker のブロウも素敵です。

『カッコいい』曲の定義は人それぞれ違うだろうし、時代によっても変わるのは当たり前です。しかし、この Blue Montreux は豪華なメンバーがただ顔を揃えて一緒にやりました、というのとは全く違う、一流ミュージシャンの実力とはどんなものかを見せつけた Jazz 史上に残る傑作なのです。

Mike Mainieri (Vibraphone, Percussion)
Warren Bernhardt (Piano, Keyboards)
Larry Coryell (Guitar)
Steve Khan (Guitar)
Michael Brecker (Sax)
Randy Brecker (Trumpet)
Tony Levin (Bass, Stick)
Steve Jordan (Drums)

1.Blue Montreux(Mainieri) 8:50
2.Rocks(R.Brecker) 7:57
3.I’m sorry(Mainieri) 8:41
4.Magic Carpet(Mainieri) 5:37
5.Buds(R.Brecker) 5:02
6.Floating(Bernhardt) 7:57
7.Virgin and the Gypsy(Mainieri) 8:25

8件のコメント

  1. 私、実は聴いた事がありません。もぐりです・・・
    Mike Mainieriの「Love Play」は聴き倒した(いまだに聴いている)一枚
    ですが、なぜだか自分でも謎な部分です。
    一つあるのは、この頃はライブ音源が苦手だったのだと思います。
    さて、今、これを購入しようかどうか迷っています・・・

  2. そらみみさん
    >さて、今、これを購入しようかどうか迷っています・・・
    もし聴いてみて面白くなかったら、私の頭を棒でひっぱたいてくださって結構です(ウソですが)。
    世界遺産にしたいくらいですよ。

  3. おっちゃんの様子もだいぶ落ち着いてきたようですね。
    Cat’s-Pawさんもお疲れ様でした。
    Arista Allstars/Blue Montreux 聴きました!
    ブレッカーがブラザースだと、こんなにもパワフルなんですね!
    I’mSorryの演奏が新鮮なイメージでした。
    WeatherReport/Heavy Weatherも、このアルバムもそうですが、ボリュームを
    普通の状態で聞いてはけなかい事に気づきました。
    もともと大音量が苦手なので、録音レベルが高いと耳が引いてしまうみたいです。
    少し音量を絞って聴くと表情がくっきり見えてくるのです。
    大音量というか特大パワーでもがんがん体に入ってきた音があります。
    味の素スタジオで2003年8月24日に聞いたチャカカーンのボーカルです。
    人生で、人の声にあれほどのパワーの感じた事がありません。
    ちなみに、ハービー・ハンコックの生ピアノがバックでした。

  4. そらみみさん
    Headphoneでは確かに違和感というか、単純に臨場感を感じるのは難しいですよね。
    Heavy Weatherにしても、試聴ルームのようなところで聴くと違和感なく曲の持っている本質を感じることができました。
    ただ、この作品もそうですが迫ってくる奏者の息吹きを感じないともったいない楽曲というのが、単に大音量にするしないとは別にある気がします。

  5. Cat’s-pawさん、こんばんは。
    今夜は久しぶりに「Arista All Stars / Blue Montreux」(1978)を聴きました。
    4.Magic Carpet が 「Mike Mainieri / Lave Play」での雰囲気とずいぶん
    違うなあ、それにどこかで聴いた guitar だ、と思ったら Steve Khan
    だったのでした。「The Blue Man」(1978) でのプレイそのままです。
    曲のイメージにかなり影響してますね。Blue Montreuxのライナーの中でも
    「この頃はこんなにハードでイケイケなプレイを聴かせていたのである。」
    と書いてありました。
    そして、私の一番好みなのは 5.Buds だなと感じました。
    これ、Randy Brecker の曲ですが、The Blue Man の中でも Randy の曲
    4.The Little Ones が特に好みです。
    どうやら、私の嗜好の中には「レイジーでひねくれた」がかなり占めている
    のかもしれません。

  6. そらみみさん
    なるほど、かなり分かってきました。そらみみさんの好み。
    私はどっちかっていうと、「音楽はカタルシスだ」な人間です。
    元々プログレをこよなく愛する性質から、ドラマチックで壮大な曲調は
    ジャンルを問わず好きです。
    そらみみさんはソロイストを尊重して演奏の質を追求する人だと思います。
    私は何でもない曲をアレンジ一つで悶絶するほど魅力的にしてくれれば、
    そのミュージシャンを追いかけます。
    そういう意味では作曲の才能は抜群なのに編曲下手な Randy Brecker が
    どうも苦手です。

  7. Cat’s-pawさん
    「ソロイストを尊重して演奏の質を追求する」は自覚していませんでした。
    言われてみれば、そうなのかもしれません。
    それと、Cat’s-pawさんと嗜好が近いようで真逆の部分が判ってきましたね。
    私は、音楽の澱(おり)の部分とかよどみの部分が好きなんですねきっと。

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