Junior Mance JUNIOR

piano trio の魅力というのは、結局3人の息がいかに合っているかということになるかと思います。ピッタリ合った演奏に出会った時に感じる官能的とも言える感覚を感じられるかどうか。

私が最初に 3.Whisper Not を聴いた時に感動したのは、その息の合い方に極まった感があることでした。サイドメンも申し分なし、Blues フィーリングに至っては 9. のように他の追従を許さないコロガシもあり、4. Love For Sale のように速い曲でも幸せな気持ちでノれるのは誰よりもこの3人が息が合っている証拠でしょう。これらは、Ray Brown の bass がなかったら決して為し得なかったはずです。

Jazz Bass の3大巨人と称されるのは、Oscar Pettiford・Charles Mingus・Ray Brown と言われています。なかでも Ray Brown は最もキャリアの長い一流ミュージシャンとして輝かしい経歴を持っていますが、それだけにこんな逸話があります。
大ホールでのコンボの演奏の際、Pickup マイクを付けずにプレイし、2階席でさえもしっかり bass 音どころかスウィング感さえ迫ってきたというのです。Contrabass で生音を響かせることが簡単でないことは当然ですが、ただ単にデカい音を出せば良いわけではないし、ましてや2階席までスウィングさせるなんてこの人以外にできる芸当ではないんですよね。こういう人は世界人間国宝に認定すべきです。本当に。

Junior Mance (p)
Ray Brown (b)
Lex Humphries (ds)

1.Smooth One (Goodman, Royal) 3:29
2.Miss Jackie’s Delight (Wright) 3:54
3.Whisper Not (Golson) 4:22
4.Love for Sale (Porter) 4:26
5.Lilacs in the Rain (DeRose, Palish) 3:42
6.Small Fry (Carmichael, Loesser) 4:08
7.Jubilation (Mance) 3:31
8.Birk’s Works (Gillespie) 5:45
9.Blues for Beverlee (Mance) 7:54
10.Junior’s Tune (Mance) 3:33

Junior Mance - ジュニア

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