McCoy Tyner Fly With The Wind

今回もとっておきのお気に入り盤をご紹介しましょう。McCoy Tyner の強力な企画モノです。

10代の頃にあらゆる Jazz を聴くべく、Jazz 喫茶通いと FM 番組のエアチェックに勤しんでいました。大概はラジオで知って、上京して Jazz 喫茶で確認した上でレコードを探して帰るパターンでした。しかし、このアルバムはそれまで聴いたことがないまま Jazz 喫茶でかかっていたのを聴き、衝撃を受けてどうしても欲しくなり探して買って帰ったのを鮮明に覚えています。

本作は、Bill Evans の名作などで知られる Riverside のプロデゥーサーだった Orrin Keepnews が起こした Milestone レーベルの中でも初期のベストと言い切れるアルバムです。
皆さんは、弦楽奏団をバックに演奏するというパターンは、Jazz に限らず様々なジャンルでやられていることをよくご存知だと思います。重厚なストリングスが、あるいは Big Band のような豪華な伴奏をバックにソロをとったりする醍醐味は、ミュージシャンにとって一つの勲章となりうる瞬間だと思います。
そういった既成のストリングス入りのアルバムと本作が決定的に違うのは、弦楽隊が Combo の演奏にリアルタイムで、つまりナマの実況録音として参加していることなのです。当時でも多重録音やシーケンサーによるなんちゃってオーケストラでまともにレコーディングできる環境が整っていたはずですが、本作はあえて奏者による生録音を敢行して成功した作品なのです。

その結果、弦楽器奏者による迫力ある調べがあたかも必然の要素となって、Tyner のパーカッシヴな piano、Billy Cobham の重量感あふれる drums、荒々しい中にも繊細さを失わない Hubert Laws の Flute などが壮大なスケールで鳴り響く感動的な傑作アルバムが生まれました。私に言わせれば、これを聴かないことで後悔するというより、聴いてしまったことで自らの音楽観を何倍にも広げられるような新しい価値を授けてくれる作品だと思います。愛聴盤です。

McCoy Tyner (p,arr)
Hubert Laws (fl)
Billy Cobham (ds)
Ron Carter (b)
orchestra conducted by William Fscher

1.Fly With The Wind 8:30
2.Salvadore De Samba 12:13
3.Beyond The Sun 5:33
4.You Stepped Out Of A Dream 6:55
5.Rolem 5:43

マッコイ・タイナー - Fly With The Wind

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