Weather Report Tale Spinnin’

前回の「Sweetnighter」から1作飛んで、1975年発表の非常に思い入れの強い作品を先にご紹介します。

『bass はすべての音楽の母であり、drum は父である』〜Joe Zawinul〜

Vitous も Gravatt もいなくなり、ツアーのみに参加した Sly and Family Stone の drummer である Greg Errico もレコーディングまで持たず、リズム陣を模索していた Zawinul はまずネイティブな funk 要素を持った electric bass の Alphonso Johnson を起用しました。drum は Zawinul が最もこだわるパートで、器用さやテクニックにもましてパワーを求めていたため、前作でつないだ Ishmael Wilburn に替えて当時 Carlos Santana のメンバーだった Nduge Leon chancler に声を掛けてリハーサルなしで加えたのでした。

このアルバムは、Johnson と Ndugu のおかげでとてつもなくファンキーな、それでいて土着的な色を失わない Weather Report ならではのサウンドを実現できています。思い入れの強い私としては、前半の楽曲に関しては涙なしで聴くことができないので、かなり覚悟をした上でこっそり聴くクセがついたし、なんというか、「これが Weather Report だ」というサウンドは、理解していただけない方には決して語ることなく、苦節30年耐えてまいりました。これからも「できれば、あんまり分かって欲しくない」作品の一つであり続けるかもしれないけど、こういう音を聴く贅沢さはやはり口を開いてしまう誘惑に負けてしまいます。

Joe Zawinul Rhodes piano, melodica, acoustic piano, TONTO synthesizer, Arp 2600 synthesizer, organ, steel drums, out, mzuthra, vocals, West Africk, xylophone, cymbals
Wayne Shorter Soprano & Tenor Saxophone
Alphonso Johnson Electric Bass
Leon “Ndugu” Chancler Drums, Cymbals, Tympani
Alyrio Lima Percussion

1. Man in the Green Shirt 6:28
2. Lusitanos 7:24
3. Between the Thighs 9:33
4. Badia 5:20
5. Freezing Fire 7:29
6. Five Short Stories 6:56

2件のコメント

  1. 「涙なしで聴くことができないので、かなり覚悟をした上でこっそり聴くクセがついた___」とは、かなり音楽を愛してらっしゃる方なのですね。ものすごく伝わってきます。こちらは、このアルバムの低音が不足気味な感じを自分なりに補充して大音量で聴いています。

  2. isseiigarashi様
    コメントありがとうございます。
    素晴らしい trumpet 奏者の方からのコメントなので、レスはメールにてお送りしました。
    よろしければご覧になってください。

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