Dave Grusin One of a kind

Fusion どころか、Crossover という言葉でさえまだ一般的ではなかった1977年に発表された歴史的名盤です。上記お馬さんの絵で当たり前のように認識されているものの、私的にはPolydor盤LPバージョンである Dave Grusin の上半身がフィーチャーされたジャケットの方に愛着があります。

ご存じない方々に申し上げておきますと、Fusion音楽もSmooth Jazzもすべての源はここから発しているといっていいでしょう。おそらく、どの楽器でも作曲法でも編曲法でも一人前になるための要素を全部含んでいるので、ここに収録されている楽曲をマスターすることが一流の演奏家への最短コースとなるでしょう。
類い希なミュージシャンたちの力量と、映画音楽でも存分に発揮された曲作りのノウハウが見事に融合して完成されたアルバムは、現在でも燦然と輝く金字塔です。

確かにこの時点で Weather Report などの先進的なユニットは存在していました。しかし、Jazz の進化形というか、より受け入れられやすいスタイルでもっと沢山の音楽ファンへアピールする作品とは何か、を表す答えとして誕生した本作が果たした役割は歴史的に見ても非常に重要であると思います。

全曲が粒の揃った名曲ですが、1.Modaji における各奏者の音楽性の高さは、33年前という時代を全く感じさせない絶妙なセンスに溢れ、テクニックばかりに比重が置かれるわけでもなくトータルな音楽的創造性を感じさせてくれる代表曲となっています。映画音楽作家としてのキャリアに裏打ちされた Grusin 作品のスケールの大きさや聴くものに様々なシチュエーションの可能性を与えてくれる多彩なバリエーションも本作の魅力になっていると思います。一度は味わっていただきたい名盤です。この後、渡辺貞夫や Lee Ritenour などとのコラボレーションを経て、Grusin は Larry Rosen と共に GRP レーベルを設立します。

Grover Washington Jr. (soprano saxophone)
Ron Carter (acoustic bass)
Anthony Jackson (electric bass)
Francisco Centeno (electric bass)
Steve Gadd (drums)
Ralph MacDonald (percussion)
Dave Valentin (flute)
Don Elliott (mellophone, background vocals)
Larry Rosen (triangle)

1.MODAJI (7:42)
2.THE HEART IS A LONELY HUNTER (6:13)
3.CATAVENTO (4:04)
4.MONTAGE (9:20)
5.PLAYERA (8:44)

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Dave Grusin - One of a Kind