The Jazz Defektors

う〜ん… 迷いましたが、紹介しときましょう。別にネタに困っているわけではないというか、いいのかなとも思いましたが… ま、いいでしょう。

UK London のクラブシーンとか全然興味ないんですが、日本がバブルの時代(1988年)にポッと現れた一発屋がおりました。その名を「The Jazz Defektors」(正式には”k”の部分が左右逆になる)といいます。ジャケットのカッコよさからしてスゴくオサレでイケてそうです。実際に聴いてみると Art Blakey のドラミングをパクった Stevie Wonder の 4.や、スウィンギーなノリが爽やかな 5.など、なかなかどうしてやるぢゃんコイツらと思わせます。全体的に特に acid 臭くはなく、結構よくできた印象を与える理由は、実は The Style Council の Paul Weller と Mick Talbot が制作に参加していることが大きいのでした。どおりでセンスいいはず。

今でも Youtube で探せばビデオが見つかります。私もルンルンしながら探してみたら、出てきました、4.も 5.も・・・ しかしです! フロントのコーラス4人が、「全然踊れてねぇーぢゃん」。何ということでしょう! このムチャクチャカッコいいジャケットから想像してたストリートダンスはおろか、カラオケで吊し上げ食ってる内気なオッさんみたいに下手くそな身のこなしなのです! ライブ会場に集まった立ち見の観衆は一体どういうリアクションをとればいいんでしょう。よくブーイングが起こらないものです。普通、こういう企画モノだったらリハーサルに一流の振り付けを頼んで4人揃っての決めダンスとか練習しとくもんです。詰めが甘すぎる。

とか何とか、文句ばっかりでは失礼なので付け加えておきますが、BGMとしては腹の立たない出来です。あんまり深追いしないでジャケットの勢いだけでパーティ用として使用することをお勧めします。

Bass Gary Verbickas
Drums, Timpani, Synthesizer [Simmons] Mike Lawrence
Engineer Jezar (tracks: 1, 3, 4 to 6)
Guitar J. Franco
Keyboards Duncan Esperanto
Lead Vocals Mark Paul Swaby , Paul Cummings
Saxophone Vincent Corrigan
Timbales, Marimba, Percussion, Congas [Tumbadoras] Chris Manis
Vocals Barrington Wilks , Salts

Mixed By Mick Talbot (tracks: 1, 3, 4, 6) , Paul Weller (tracks: 1, 3, 4, 6)

1.Pressure 5:56
2.Invisible You 2:56
3.Bounce-Back 7:07
4.Another Star 7:34
5.Ooh! This Feeling 4:20
6.Pandemonium 3:58

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The

Steve Khan EYEWITNESS

Steve Khan 特集の2回目です。guitar を中心にしたユニットの作品では不世出の名盤といっても良いでしょう。現在でも入手は非常に難しいようです。

私は1981年のリリース当初にLPを購入しました。独特のスペーシーな音の中を変拍子だけど規則的なリズムとうねるような bass ラインが特徴の楽曲群に完全に取り憑かれました。たぶん、このようなものをそれ以前に経験した人は居ないのではないかと思うくらいの独創的な世界が広がります。スポーツ好きな Khan の曲らしく、1.の Jerry Mumphrey(MLB)や 4.の Guy Lafleur(ギ・ラフルール・・・NHL)といった実在の選手が曲名になったりしてるのも興味深いと思います。

とにかく、説明するのももどかしいくらい浮遊感のある独特な世界は、その中に身を置いたものだけが味わえる至高のサウンド体験へと導いてくれます。この作品をきっかけに、Khan は次々とこの独自のサウンドでアルバムを発表し、guitar kids というより耳の肥えた大人の Jazz ファンを魅了していったのでした。後年は Steve Khan と言えばこの音というスタイルが確立されたように思います。やっぱり説明できないので聴いていただくしかないのですが、手に入りますかどうか・・・ 以前は日本の企画で『Helping Hand』というベスト盤があって本作の中の数曲がピックアップされていましたが、どうやらそれさえも今は存在しないようです。聴きたい方、無責任ですが幸運を祈ります。

ちなみに、2.はマジであのアラレちゃんからインスピレーションを得たものだそうです。しかし、私みたいな凡人にはゆったりとした曲調にそのような発想は見い出せませんでした。残念。

Steve Khan (g)
Anthony Jackson (b)
Steve Jordan (ds)
Manolo Badrena (per)

1. Where’s Mumphrey? (7:28)
2. Dr. Slump (8:21)
3. Auxiliary Police (5:25)
4. Guy Lafleur (10:30)
5. Eyewitness (7:16)

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Steve Khan のアルバム

Steve Khan Let’s call this

なかなか更新ができず、無精な食堂で恐縮です。今回は guitar の名手による最高の trio 演奏を聴くことができる個人的名盤の一つをご紹介します。その Steve Khan の作品を2回連続で特集しようと思います。1回目の本作はクォリティは高いものの、派手な演奏を好む向きにはあまりお勧めしません。

本食堂でもご紹介したことがある Blue Montreux を始めとする Arista レーベルの作品群にも頻繁に顔を出し、絶頂期は次回ご紹介する予定の通称 EYEWITNESS でも有名な Khan が、Ron Carter 、 Al Foster という異色の組み合わせで録音したアルバムです。かといってストレートアヘッドな Jazz を演りたかったわけではなく、セッション色の強い遊び心の中にもかなりシリアスなインタープレイが詰まった、非常にテンションの高い楽曲ばかりとなっています。

セッションミュージシャンというイメージだった Khan ですが、Arista での作品にしても、以前ご紹介した Steely Dan での扱われ方にしても「間違いない」guitarist として引っ張りだこだった人です。しかし、第一線で活躍していても代表となるリーダー作はなく、EYEWITNESS で火が付くまではサイドメン的な見られ方がほとんどだったと思います。本作は、脂が乗りきったと言っても過言ではない1991年に録音されたものですが、当初 Khan は guitar trio の演奏をしたくて Jay Anderson(bass) 、Joel Rosenblatt(drums) というメンバーでデモを録ったんだそうです。そのデモテープを聞きつけた日本の Polydor が「もっとビッグネームと演るんならリリースしてもよかですよ」と言ってきて Carter 、Foster というメンツになったそうです。

1960年代に彼が U.C.L.A.で学んでいた頃に流れていた Thelonious Monk や Wayne Shorter、Lee Morgan といった巨人たちのナンバーを Khan にしかできない形で再演しているのですが、原曲の面影はあまりなく彼のオリジナルのように咀嚼されている楽曲ばかりです。手に入るなら、是非この不思議な音世界を体験してみて欲しいと思います。

Steve Khan (g)
Ron Carter (b)
Al Foster (ds)

1.Let’s Call This(Thelonious Monk) 7:01
2.Masqualero(Wayne Shorter) 6:03
3.Backup(Larry Young) 6:27
4.Out of This World(Harold Arlen-Johnny Mercer) 7:04
5.Played Twice(Thelonious Monk) 6:05
6.Little Sunflower(Freddie Hubbard) 8:11
7.Buddy System(Steve Khan) 5:05
8.Street of Dreams(Victor Young) 7:47
9.Mr. Kenyatta(Lee Morgan) 7:50

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