Steve Khan 特集の2回目です。guitar を中心にしたユニットの作品では不世出の名盤といっても良いでしょう。現在でも入手は非常に難しいようです。
私は1981年のリリース当初にLPを購入しました。独特のスペーシーな音の中を変拍子だけど規則的なリズムとうねるような bass ラインが特徴の楽曲群に完全に取り憑かれました。たぶん、このようなものをそれ以前に経験した人は居ないのではないかと思うくらいの独創的な世界が広がります。スポーツ好きな Khan の曲らしく、1.の Jerry Mumphrey(MLB)や 4.の Guy Lafleur(ギ・ラフルール・・・NHL)といった実在の選手が曲名になったりしてるのも興味深いと思います。
とにかく、説明するのももどかしいくらい浮遊感のある独特な世界は、その中に身を置いたものだけが味わえる至高のサウンド体験へと導いてくれます。この作品をきっかけに、Khan は次々とこの独自のサウンドでアルバムを発表し、guitar kids というより耳の肥えた大人の Jazz ファンを魅了していったのでした。後年は Steve Khan と言えばこの音というスタイルが確立されたように思います。やっぱり説明できないので聴いていただくしかないのですが、手に入りますかどうか・・・ 以前は日本の企画で『Helping Hand』というベスト盤があって本作の中の数曲がピックアップされていましたが、どうやらそれさえも今は存在しないようです。聴きたい方、無責任ですが幸運を祈ります。
ちなみに、2.はマジであのアラレちゃんからインスピレーションを得たものだそうです。しかし、私みたいな凡人にはゆったりとした曲調にそのような発想は見い出せませんでした。残念。
Steve Khan (g)
Anthony Jackson (b)
Steve Jordan (ds)
Manolo Badrena (per)
1. Where’s Mumphrey? (7:28)
2. Dr. Slump (8:21)
3. Auxiliary Police (5:25)
4. Guy Lafleur (10:30)
5. Eyewitness (7:16)
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Cat’s-pawさん、こんばんは。
Steve Khanさん、ご紹介していただくまで知らない人でした。
スタイルを確立したという1980台の前のCBS時代の一枚、
「The Blue Man」(1978) に閃くものがあり、購入しました。
最初から最後まで、あっという間(実際38分と短い)のそれはもう
最高に楽しい一枚です。
メンバー的にもうひとつのL’Imageという感じですが、
Steve Khanのすごいプロデュース能力を感じます。
「勝手はゆるさんが、使いたいように使わせてもらうぜ!」
というパワーを感じます。
聞き所は色々ありますが、特に1曲目の「Daily Bulls」で
Don Grolnickのオルガンがシャウトしている!のが最高です。
そらみみさん
The Blue Man は聴きやすくて元気のいいアルバムですね。
しかしながら、EYEWITNESSは全然違うんです。正確には本作を含め以降の3作くらいの期間を言うんですが、ほとんど別人がやってると言うくらい、音楽の指向性が全く異なります。webで探せば触りだけでも試聴できるサイトがあるかもしれませんが、amazon等のショップではもはやこのユニットの作品群は全滅で、「こんな感じの音」というニュアンスさえ伝えられないもどかしさ。
なんでこんなに出来がいいのに廃盤になるのか(って毎回言ってますが)不思議で仕方ないですね。納得いきません。
このスペイシーでいながらタイト、という筆舌に尽くしがたい雰囲気を味わっていただけないのは本当に残念です。
EYEWITNESS国内出品あり
¥9,800-
えい!買っちゃいましょう!
最近節約していたので許して
あげよう>自分
そらみみさん
何と大胆な・・・
そらみみさんの好みからしてわずかに不安もありますが、これはハマっていただけると信じます。Popではないので、The Blue Man の路線は完全に忘れてください。
Anthony Jackson の bass が何しろ素晴らしい。そして Steve Jordan の drums。このリズム隊が創り出す無機的とも思える空間に、音階を多用した有機的な guitar が融合しつつ Badrena の打楽器や声が加わることで、ある種幻想的な感じさえしてきます。
「Modern Times」というアルバムでは、このユニットでおこなった六本木PIT INNでのライブ録音も収録されているのですが、それはもうモノ凄いテンションで、STEPS のライブより私は断然こちらを押します。
「Suitcase」というレパートリーがあるんですが、この曲をタイトルにした90年代の欧州でのライブは、drums がデニチェンに入れ替わったユニットで Dennis Chambers 自身、このバンドでやるのが夢だったらしいです。しかし、ブッ叩くスタイルのタイコでは EYEWITNESS の神髄は表現できないのでした。2枚組で本作の楽曲も多く収録されています。たぶん、これを後で聴くと違和感を覚えるはずです。
とにかく、気に入っていただけることを祈ります。
Cat’s-pawさん
EYEWITNESS
国内出品は流石に対応が速かったです。無駄な梱包もなく、状態も良好でした。
音を聞く前に今頃になって気づいたのですが「空に顔」だったのですね。
「シミみたいのはなんだろうなー」なんて思っていたのです。
率直な感想。これはメジャーレーベルでは作らせてくれないです。
彼はこのような音楽を作りたかったのでしょうか。きっとそうなんでしょう。
何かがイメージされる音楽ではない。効果音の効果は何を狙ったのか。
内省的というコメントがどこかにありましたが、そうは感じません。
3曲目の「Auxiliary Police」関係ないかも知れませんがポリスっぽい。
今のところ肯定的なコメントは出てきませんが、聞き込んでいく内に変わる
かもしれませんね。
そらみみさん
う〜ん、そうですか。高い買い物になっちゃいましたか?
私も内省的という印象は持ちません。
エントリでも取り上げたように大好きなメジャースポーツを目の当たりにしている時の情景や躍動感、あるいは Auxiliary Police(補助警官)の眼が捉えた現実の出来事という形でこのタイトル「EYEWITNESS」(目撃者)が表現されているのではないかと私は勝手に思っています。
選手の実名を使うということは、この人がかなりのファンであることだと思います。例えばMLBのシリアスなファンは、日本のプロ野球ファンなどに比べて Sabermetrics (野球のすべての現象をデータに置き換え統計学を駆使して分析する理論)から予想したりプレイを評価するような人が多く、1つ1つのプレーに常識を越えるレベルの観察力を発揮したりします。そういう見方もしたくなるタイトルだと思いました。
個人的には、各楽曲の時間がそれぞれ二倍あってもいいくらい、こういう空間が好きなんですよ。
特に、Auxiliary Police から Guy Lafleur にかけての時間は、誰にも邪魔されたくないほど気に入ってます。
そらみみさんが聴き込んで少しでも感じてくださるのを淡い期待でじっと待っております。
Cat’s-Pawさん、こんばんは。
EYEWITNESS、ずいぶん聴き込んで、だいぶ馴染んできました。
でも馴染んできたのはSteve Khanのギターだけで、
バックの演奏、効果音、エコーのかかった録音がやはり生理的に
受け付けません。
どうも、このあたりがCat’s-Pawさんと私の嗜好の最も異なる領域
なのではと感じます。もうひとつがWeatherReportですね。
EYEWITNESSとWeatherReport、何か共通項があるかといえば、
あるような、ないような。
私は音楽の嗜好に理屈はないと思うのですが、あえて理屈を
つけると、実際に体験した世界の広さの違いかな?
私はほぼ町内(人間関係を含め)にとどまったままなのに比べ、
Cat’s-Pawさんはずっと広い世界を体験してきている。
あと、私は音楽を生理的にしか聴けないのに比べて、
Cat’s-Pawさんはどんなに熱くなっても理性の上に立って音楽を
聴いている。
これは私の勝手な理屈なので「そんなことはないよ」と思われる
かもしれませんが、お許し下さい。
自分にない広い音楽観をこれからもワクワクしながら読ませて
いただきます!
Cat’s-pawさん、共通項、Manolo Badrenaさんですね。
なぜ苦手なのか、自分でもよく判らない部分です。
そらみみさん
やはり、そらみみさんとはじっくり音楽について直に語り合う必要があると思っています。一時期仕事で携わることがあったにせよ、音楽が感動を与えてくれるのはそらみみさん同様エモーショナルな部分によってです。確かにプロの生の演奏を毎日のように体験できた経験は大きかったとは思います。
>EYEWITNESSとWeatherReport、何か共通項があるかといえば、あるような、ないような
私はひたすらプロフェッショナルな音楽に惹かれます。ですから、言いづらいですが将来性があっても素人の演奏に引きつけられることは少ないです。商売上、お互いに傷を舐め合ってるようなプロ演奏もありました。ストリートならともかく、ギャラを取って未熟な演奏を聴かされるのは耐えられません。上記2グループに共通するのは、しびれるような空間を作り出せる才能を見事に集結させたことに尽きます。producer が悪いと台無しになる場合もありますから。
>どんなに熱くなっても理性の上に立って音楽を聴いている
う〜ん、やっぱりそんなことはないと思います。ここでご紹介してきた作品は個人的な好みで偏ってますが、聴きながら涙が止まらなくなるものも多いです。上述したことに加え、楽器を奏でる才能も人を見出す能力も持ち合わせてないので、完成されたものに出会うことが夢であり、目的なのです。ただし、上手な人が集まれば良いと言うわけではなくて、例えばライブなら様々な条件がピタリと合わなければ名演にはならないのもご存知の通りですので、素晴らしい演奏を構成した要素は何なのかを分析するのは好きです。
いずれにしても、個人的に入れ込む作品をムリにお勧めしたことをお詫びしなければいけませんね。そらみみさんには結構趣味を押しつけてしまって申し訳ないと思っています。
これに懲りずにご来店いただければ幸いです。