当Bistro はいわゆる名盤と言われる類をできる限り料理しない方針でやってまいりました。しかしながら極端にド・マイナーなものもカビでも生えていたら(失礼!)良くないし、と。ここらでちょっと有名どころに登場していただきましょう。
Bobby Hutcherson の初期の傑作といわれる作品です。Hancock の共演でより素晴らしい演奏になっていることも見逃せませんが、私的には Vibe というのはラテンでもファンクでもロックでもなく、Blues をベースにクールに決めてもらいたいわけで、その見本が本作だからです。Milt Jackson のように朝から晩まで Blues ばっかし100回くらいやらないと気が済まない人もいますが、あちらは整い過ぎていてモノ足らないんですよね。せっかく広い鍵盤と何本もマレットを使えるんだから突っ走る感じが欲しいです。Vibe で一番好きなミュージシャンは Mike Mainieri ですが、1970年以前の Hutcherson も好きです。
1.Aquarian Moon からしてフレーズの展開が絶妙で、路線変更以後と違って非常に饒舌なソロを聴かせます。やっぱり Vibe はこうでなくっちゃ、と口をついて出てしまう演奏です。1966年ですから Hancock はまだ Miles Davis から『バターノートを弾くな』とは言われてなかったはずですが、それでもゾクゾクするソロを披露しています。こっ速いナンバーばかりでなく、2.や Hancock の名曲の4.、さらに前衛的な5.といった楽曲がアルバムに深みを与えていて充実した内容と言えるでしょう。ただ、やはりストレートアヘッドな Jazz が好きな人向きなので、ひとひねり欲しいファンには少し淡泊に感じるかもしれません。
Bobby Hutcherson (vibraphone, marimba)
Herbie Hancock (piano)
Joe Chambers (drums)
Bob Cranshaw (bass)
1. Aquarian Moon 7:45
2. Bouquet 8:10
3. Head Start 5:16
4. Maiden Voyage 5:50
5. The Omen 6:59
6. Rojo 6:04
7. When You Are Near 3:51
Recording date : Feb 8, 1966
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