どうにも自虐的笑いが止まらないのはなぜでしょう。お気に入りのアルバムをピックアップするたびに思います。なぜなら今回もすでに廃盤になっていたから。
本作は1988年度の Grammy 受賞作ですよ。大人の事情なんて全然知りたくもないですが、何なんでしょうね一体。ネット眺めても「こんなもん、まだ売ってんの?」みたいなのが多いのに、昨今の売れ線洋楽とかどうだっていいから、ちゃんとしたものを残して欲しいと思うのはワガママですかね? 何か腹立ってきます。こんなことやってるから衰退するんだと思いますね。テレビと一緒だ。
西海岸の代表的 Fusion ユニットである Yellowjackets は、1977年に Robben Ford のサポートバンドとして誕生し、どちらかというと爽やか系で売り出したのですが、ちょっとベビー Weather Report 的な曲調が混ざり始めてからは、keyboard の Russell Ferrante を中心に独特のマニアックなユニゾンによるテーマや少し R&B がかったサウンドが目立ち始め、bass の Jimmy Haslip のテクニックも相まって Jazzっぽい路線へシフトしていきました。本作は馴染みやすいメロディーとノリの良さで親しみのあるナンバーばかりですが、Jazz 的な思考は芽生えており次作の「Spin」に至ってそれが顕著に表れることになります。さらに sax がPops系の Marc Russo から Bob Mintzer に替わった1991年以降はより鮮明に進化を遂げていくのでした。本作を一言で評すれば、『Jazz がほんのり香る耳馴染みのいい技巧派サウンド』といいましょうか。Weather Report 好きな私的にはモノ足らない分、Fusion サウンドが受け入れられる方には充分満足していただける作品だと思います。むしろ、これ以降の作品になると Jazz 的なアプローチが増えてくるため、そっち側のファンでないと聴きづらいかもしれません。Ferrante の才能を知らしめた重要な作品でもあります。
Russell Ferrante (key)
Jimmy Haslip (b)
William Kennedy (ds)
Marc Russo (sax)
Alex Acuna (per)
Steve Croes (syn)
1.OZ 4:44
2.TORTOISE & THE HARE 5:32
3.LOCAL HERO 4:38
4.GALILEO (FOR JACO) 5:05
5.FOREIGN CORRESPONDENT 5:43
6.DOWNTOWN 4:02
7.HELIX 4:57
8.AVANCE 5:17
9.ONE VOICE 3:58
10.EVENING DANCE 5:10
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