Bill Evans The Gambler – Bill Evans Group Live At Blue Note Tokyo 2
1990年9月 Blue Note Tokyo でのライブ録音である本作は、前年に録音されたLet The Juice Looseとある意味対照的であり、サイドメンの構成によって曲調がかなり変わるところが Bill Evans という人の守備範囲の広さを表しているとも言えます。
前作では、Dennis Chambers、Darryl Jones の爆弾コンビだったリズム隊が、本作では Victor Bailey と Richie Morales という少し意外な組み合わせに替わっており、Weather Report 好きな私にとっては興味をそそられました。前作もリリースと同時に購入しましたが、初盤の音質が今ひとつで、本作の購入時にちょっと不安もありました。しかし、空気感がまるで違う素晴らしい録音状態にほっとすると同時に、その音質も理由になってこちらを聴く機会が増えたのでした。両作品とも producer は増尾好秋です(あの「Sailing Wonder」のguitarist)。
私の愛聴曲は、5.の Bailey のオリジナルで彼独特の bass ソロを堪能することができます。自身のリーダー作ではタイトル曲になっているものですが、本作の演奏の方が断然いいです。ソロ部分の掛け合いが絶妙で、私的にはこのアルバムのハイライトはこのナンバーです。表題曲を始め他のナンバーも後半に盛り上がるものが多く、聴き応えは前作よりもあると言えます。唯一、ラストの7.のみオープニングから全開のファンクサウンドを全員が心から楽しんで演奏している様子が分かります。
1981年の10月に新宿西口での Miles Davis の復活来日公演でもの凄いプレッシャーを受けながら演奏していた Evans を思い出します。その後数十年にわたって現在でも確固たる地位を築けたのは、様々なミュージシャンから慕われる彼の才能と人間性によるものでしょう。本作もCDの入手自体は困難ですが、iTunes等の配信では手に入れることが可能です。
Bill Evans (ss, ts)
Victor Bailey (b)
Michel Forman (key)
Richie Morales (ds)
1.The Gambler 12:07
2.Sun Dried 11:55
3.Sea Of Fertility 9:01
4.Justa Hunch 8:30
5.Kid Logic 8:43
6.Gorgeous 8:18
7.Crest Annex 5:54
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