Emerson, Lake & Palmer Trilogy

Jazzは一休み。昨今の巷に溢れる素晴らしいポピュラー音楽については難しくてよく分からないので、目先を変えて私の少年時代のバイブルを紐解くシリーズといたします。

中学生時代、毎日のように聴いてLPが擦り切れては買い直すほど聴きまくった ELP ですが、今でも当時と全く変わらない感動を覚えます。私は正確には Beatles 世代より少し後に位置するため英国のサウンドとの出会いが彼らだったこともあり、いきなり直球勝負で来られた結果、虜になりました。最も衝撃的だったのは「Tarkus」でしたが、味わい深さの点では本作が最も優れています。1960年代以降の British Rock の魅力は、その音楽性にあります。古典音楽の素養を充分に身につけ、既存のジャンルにも関心を払いながら誰のマネでもないユニークかつ格調高い新たなサウンドを作り上げる才能が溢れていたということです。

この Trilogy における楽曲に共通して言えることは、培われた音楽観の深みでしょう。20代の若者たちがなぜこれほどまでに音楽的な熟成を成し遂げられたか、完成度の高い楽曲を生み出すことができたか。現代の音楽家たちが無数のデジタルツールを駆使してもこのような高みに到達できない理由は、出尽くしてしまったフレーズを単に組み替えていじっているだけだからなのです。すでに Charlie Parker が1950年代までに奏でたものが現代の音楽の全てである、と言い切ることもできますが、私には king Crimson を筆頭とした70年代の British サウンドが成し遂げた功績は歴史的にみても極めて重要なムーブメントだったと確信しています。

Keith Emerson (Hammond C3, Steinway piano, Moog III C, Mini Moog model D)
Greg Lake (vocals, bass, acoustic & electric guitars, lyrics)
Carl Palmer (percussion)

1.THE ENDLESS ENIGMA (PART 1) 6:37
2.FUGUE 1:57
3.THE ENDLESS ENIGMA (PART 2) 2:00
4.FROM THE BEGINNING 4:14
5.THE SHERIFF 3:22
6.HOEDOWN 3:48
7.TRILOGY 8:54
8.LIVING SIN 3:11
9.ABADDON’S BOLERO 8:13

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Trilogy - Emerson, Lake & Palmer

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