Pat Metheny Group Offramp

先日 Parent’s Room でご紹介した Anna Maria Jopek の Metheny 共演盤でも取り上げられているナンバーの中でベストテイクなのが、「Are You Going With Me?」。そのオリジナルがこのアルバムに収録されています。

本作は ECM 時代の傑作のひとつであり、グラミー賞に輝いたことからもわかるように非常に評価も高く、いわゆる名曲も含まれています。ただ、Metheny がすべて好き放題にやった結果か、と問われれば否、producer の Manfred Eicher の好みが相当入り込んでいるサウンドになっているのです。それが手腕だということもありますが、この ECM らしい空気感というのは、「First Circle」、さらに Geffen レーベル移籍以降見事に払拭されていることから、案外居心地が良かった可能性もありつつ次の進化のためには脱皮しなければならない行程だったのでしょう。

頭から一見コンセプトアルバムかと勘違いしてしまいますが、完成度が高い目玉曲の2.から3.に至るまででイメージは一旦完結し、guitar synthe を多用した表題曲や有名な6.、「80/81」の guitar ナンバーからの続編である美しい7.など、意外とバラエティに富んだ構成になっています。このアルバムは、Metheny の音楽における重要なマイルストーンであり、Blues を源流とする Jazz guitar の歴史に対して、『今』を表現するために必要な技巧や手段を極めて分かりやすい方法で知らしめたアンチテーゼとして、今後も語り継がれていくであろう最初の極みなのです。

Pat Metheny (synthesizer, guitar, Synclavier)
Lyle Mays (piano, synthesizer, autoharp, organ, Synclavier)
Steve Rodby (acoustic & electric basses)
Dan Gottlieb (drums)
Nana Vasconcelos (percussion, vocals, berimbau)

1.Barcarole 3:17
2.Are You Going With Me? 8:47
3.Au Lait 8:32
4.Eighteen 5:08
5.Offramp 5:59
6.James 6:47
7.The Bat Part II 3:50

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Offramp - Pat Metheny Group

2件のコメント

  1. Cat’s-pawさん、こんにちは。
    私は80年代前半の頃のメセニーサウンドが好きです、なのでこのアルバムはお気に入りの1つ。初めて「Are You Going With Me?」を聴いたときは鳥肌がたちましたが、その後、よぺくさんとのコラボで聴いた時も鳥肌がたちました。
    よぺくさんの声&ポーランド語&メセニーのギターに陶酔しました。
    まさにアルバムタイトルの通りです(うまくタイトルつけたなぁ~と思いました。)
    どれ、メセニーの昔のCDでも聴いてひきこもり生活続行しようかな(笑)。

  2. くまさん、こんにちは。
    よぺくさんのことは実は余りよく知らなかったのです。
    Youtubeの動画で初めて見た時、結構来ましたね。あの曲に完璧にマッチしていました。
    なんて言いますか、このアルバムもそうですが ECM というレーベルの放つ空気感というのは、すごくザワザワさせるものを持っていながら聴き込むとこれ以上無いような安らぎを与えてくれると言うのでしょうか。とにかく名盤ですよね。
    長いポ国の冬を Metheny のサウンドで過ごす・・・ いいアイデアだと思います。
    Merry Christmas!

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