
10代中頃になると小遣いを貯めては上京し、ジャズ喫茶で4〜5時間ジャズのお勉強に勤しんだ後にレコード店回りをしました。
当時は、新宿の「オザワ」や「Disc Union」、電脳街になるずっと前の秋葉原では「石丸電気レコードフロア」などが中心でした。掘り出し物は「オザワ」で、品数で勝負は「石丸」でという感じ。「石丸」は、大きなフロア毎に各ジャンルで分かれていたので、〜階は全部ジャズというふうにおびただしい数のレコードで埋め尽くされ、ヨダレを拭いながら血眼になって1枚1枚抜き出しては内容をチェックしたものです。
ある時、駅前のラジオ会館の一室でジャズレコードの輸入盤市が催されるのを聞きつけ、覗いた際に見つけたのが今回取り上げる作品です。
2枚組のくせに上からプレス機にかけたようにシュリンクラップされペッタンコになり、輸入盤独特の糊のニオイを放っていました。沸き立つ思いを抑えつつ、鈍行電車に2時間余り揺られて帰宅するや固唾を呑んで針を落とした次の瞬間に全身が逆毛だったことを記憶しています。
Chasin’ The Traneの凄まじい迫力、Coltrane、Dolphyの狂気にも似たインプロヴィゼーション、怒濤のリズム隊が渾然一体となって襲いかかってきます。聞き終わった後は放心し、ふぬけのようになっていたと思いますよ、たぶん。Coltraneもくったくたになっていて目が泳いでいたかもしれません。
ライブ録音自体は既にリリースされていたものですが、タイトル通り別テイクが存在していてそれをまとめたのが本作です。興味のない人にとっては騒音でしょうね、きっと。Village Vanguardってどんなスゲェとこなんだろう? と少年は全く手がかりがないまま想像を膨らませていた頃でしたが、のちに何度も足を運ぶとは夢にも思いませんでした。
残念ながら、本作も手に入ることはないでしょう。1961年のこのライブ自体は数枚に分かれて現在でも入手可能ですが、この構成が私はベストだと思うので。
1.Chasin’ The Trane (9:51)
2.Spiritual (12:40)
3.Untitled original (18:40)
4.India (15:25)
5.Greensleeves (6:18)
6.Spiritual (20:32)
John Coltrane tenor and soprano sax
Eric Dolphy bass clarinet ( On Track 2 Only )
Jimmy Garrison bass
McCoy Tyner piano
Reggie Workman bass
Elvin Jones drums
Recorded Nov 2,3,4,5, 1961 at New York City
Cat’s-pawさん、こちらでもこんにちは。
ジャズのレコードジャケットってどうしてこうもかっこいいんでしょうね~。
このコルトレーン渋いですよね。
私が初めて聴いた/知ったコルトレーンはマイルスのSo whatでした。
今、youtubeで聴いても/見てもモノクロの姿がかっこええ~。
次はどなたがアップされるのでしょうか?
私はそんなにジャズを知っているわけではありませんが好きなので、毎回楽しみです。
くまさん
これ、よく見るとtenor saxの持ち方が逆なんです。おそらく構図としてこの角度の絵にしたかったんだと思いますが。
少年の頃通った代々木のジャズ喫茶では、照明を極力落とした空間に、再生中のLPジャケットをピンスポットのあたる掲示ラックに飾るのですが、これが格好いいんですよ。結局これのおかげで帰りにお気に入りを見つけて買えるわけです。懐かしい…