先代モモコの時は…

例年になく寒い冬になりました。モモコとハナも家ネコなので本当の寒さは知りませんが、何となく今は寒いのだと感じているようです。
ハナは生後半年になって無事に去勢手術も終わり、外ネコからのお誘いにも基本的に無反応なため、そのことによる深夜の騒動はありません。モモコも同様でした。

我が家のモモコは現在が三代目です(といっても血のつながりはありませんし、名前と関係なくすべてオスです)。

先代(つまり二代目)のモモコは、生まれて最初の5年間は自由に外に出ていたネコだったので、それは活発でした。彼はメインクーンの系統で背中を除いて毛足が長く、それはもうフカフカでしたが人に抱かれるのは苦手でした。ただ訪れる人には愛想がよく結構社交的なネコでした。また、飼い主が寝る際は一緒にベッドに行き、ともにスヤスヤと寝てくれました。

生まれて5年目に私たち夫婦が引っ越すのを機に、去勢手術を考えました。
しかし、お願いした動物病院はどこか心もとなく、手術当日も電話で「暴れるので来て欲しい」といわれ、仕事を放り出して駆けつけました。短い時間でやつれてしまったモモコは半狂乱状態で、手術を躊躇ってはみたものの今後季節ごとに鳴かれるわけにはいかず、結局何とか麻酔を打てるように協力し手術をお願いしました。

翌日、迎えにいくとケージの中でモモコは完全に人間不信に陥った眼差しで放心していました。何とか持参の手持ちケージに移し、引っ越し先へ着くと部屋に入るなり物凄い勢いで駆け回り、そこいら中をオシッコで濡らして家具の奥に入ってしまいました。よく考えれば、通常でも住む家が変わった最初は大きなストレスを感じるわけですから、手術騒ぎでショックを受けている上に知らないところに連れて来られてしまい、その精神的なダメージは如何ばかりか、と猛省せざるを得ませんでした。

数日後、新居内の偵察も終え、だいぶ落ち着いたモモコでしたが私たちはこれまでと明らかに変わってしまった彼を見ることになります。
私たち以外の人間を拒絶するようになってしまったのです。手術前は問題なかった人たちを含め、例外なく訪問者から身を隠すようになり、どんなに打ち解けさせようとしても頑として拒み続けました。これは3年後に現在の家に移った後も変わりませんでした。

また、ケージを激しく怖がり、それを目にした途端から絶対に近づこうとしませんでした。結局モモコにとって手術したことが良かったのか、私たちは悩みました。ただ、その後も私たちには変わらずに接してくれる彼を見ると「とにかくずっと大事に育てよう」と思わざるを得ず、比較的野良ネコが多い住宅地のため「これで良かったんだ」と考えるようになっていきました。トイレ以外の場所で粗相をしたり、マーキングをすることもなく過ごしてくれたことは、私たちにとってはありがたいことだけれど、何か人間の都合ばかり押しつけてはいないかと思うことも少なくありません。

今のモモコやハナの手術のたびによみがえってくる思いです。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です