ある兄の物語

ある家に3匹のネコ(モモコ、ハナ、ボギー)がいました。
モモコは優しいお兄ちゃん、ハナは甘えん坊の次男、ボギーは野性味たっぷりの末っ子。
モモコは、ハナもボギーも可愛い弟なのでどちらも優しく見守っていました。
しかし、ハナは少し活発すぎるボギーが可愛いながらも、しつこくかまってくるのがちょっと苦手でした。
特に寝ている時に遊び相手になって欲しくてボギーが体に乗って来たりするので、ビックリしてしまい怒ってしまうことがありました。

ある休日の早朝、3匹はいつものように寝ている飼い主のお母さんを無理矢理起こしてゴハンをもらいました。
全員が食べ終わるとお父さんが起きて仕事場へ行き、仕事を始めました。
ボギーだけはお父さんのそばに行ってお父さんの膝の上に乗って甘えていました。
モモコとハナは、お母さんがもう一度ベッドに戻ったところへついて行き一緒に寝ることにしました。
ボギーはお父さんが仕事に集中しているので面白くありません。


ついに、お父さんから離れて兄ちゃんたちのところへ行こうとお母さんが寝ている寝室へ向かいました。
でも、寝室の引き戸はお母さんが閉めてしまっていました。

ボギーは戸を開こうと一所懸命頑張りましたが、まだ体が小さく戸が重いため開きませんでした。
モモコとハナはお母さんの両脇で気持ちよく眠っていましたが、戸を開けようとしている音にモモコが気づき、
ベッドから降りて戸に近づいていきました。
モモコやハナは戸を開けられるので、開けてあげようとモモコが戸に手を伸ばしました。


戸の端に手を近づけたモモコは、しかし何か考え直したように戸を開けるのを止めてベッドに戻りました。
戸を開けてもらえると期待していたボギーは開けてもらえないので、仕方なくお父さんのところへ戻ってもう一度膝の上に乗って甘えました。
ベッドに戻ったモモコは寝室に入って来れなかった末っ子を思いつつ、スヤスヤとお母さんの横で眠っているハナを見てホッとしながらもう一度お母さんのそばに行って寝ました。
ボギーは、仕事が一段落したお父さんの膝の上でウトウトし、本当に眠ってしまいました。

・・・・・以上は本当にあった出来事です。

続きは、また…

8件のコメント

  1. モモコさんはほんとうに思慮深い猫ですねえ。
    茶虎は賢い子が多いのでしょうか。
    うちの老猫(16才)が生まれた場所にいた、ボス猫の茶虎も、実に面倒見がよく、仲間の猫に、餌をくれる人間を教えたり、争いごとを調停したりしていました。

  2. nukadokoさん
    そのボスさんは本当にスゴイですね。
    モモコが賢いかどうかはわかりませんが、見ていると常にハナやボギーのことを観察し接している感じはします。
    ハナとボギーが暴れていても知らん顔をしていますが、どちらかが大声を上げた時は心配して近くに行き、眼力鋭く見つめて彼らが落ち着くのを見守るような行動を取っていますね。
    小さな頃から争いごとがイヤなのは確かなようです。

  3. モモコさんは年長さんで長男の自覚があるみたいですね。次男ハナちゃんは甘えん坊で三男ボギ坊はやっぱりモモコさんを頼りにしているんですね。
    ウチのムックは大人になって捨てられたらしくて初めてあった時からすがるようにくっ付いて離れなかったです。
    ネコさんの性格は奥が深くヒトより物事を考え弁えているようにも思えます。

  4. 絵本にしてうちの猫たちに読み聞かせたくなりました。(おとなしく聞かないけど)
    戸を開けようとしたとき、やめたとき、いったいどんな事を考えていたのかモモちゃんに教えてほしいものです。

  5. ムックのお母ちゃんさん
    ネコ同士でも醸し出す雰囲気とかを判断して、接し方を変えたりしているのかもしれませんね。9歳と4歳と0歳のネコたちです。

  6. namiさん
    自分が開けなければ入って来られない、ということは分かっていたと思います。でも一度は開けようとしたことも本当のようです。
    なぜ止めたのかはナゾですが、それをハナが知っていたかは疑問ですね。
    開けてあげた場合、モモコには展開が予測できた可能性は高いです。ただ、ボギーが行き場がなく置き去りにされるわけではない、ということも知っていた気がします。
    この話を家内から聞いた時、「モモコらしい」と思いました。いつもハナが大騒ぎするのを見て苦慮しているのでしょう。
    モモコがエコひいきするようには見えないので、人間よりもネコのほうが平常心の中で生きているということなのかもしれません。

  7. モモ君は9歳なんですね。
    我が家の兄猫と同い年です・・・信じられません(汗)
    ベッタベタのマザコンで、でも妹猫をこよなく愛し世話を焼き(ウザがられてパンチ見舞い多々)。
    人間もモモ君に見習う事は山ほどありますね。

  8. hanaさん
    モモコは今はない二子玉川の「ねこたま」で、とあるご家族の里親募集のネコとして出会いました。その飼い主さんやネコの家族からの愛情を我が家に来てもちゃんと覚えていたのかもしれませんね。
    当時、私は先代のモモコが亡くなって日が浅かったこともあり、身代わりのような役目を彼に押しつけていたかもしれません。
    そういうことを経ても年少の弟分たちをクサらずに面倒見たりする器量を備えている彼に改めて感謝したい気持ちです。

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