ニューオリンズの想い出2

ニューオリンズはジャズ発祥の地です。おそらくルイ・アームストロングという人の名はどなたもご存知のことでしょう。今では空港の名前(私が訪れていた頃は「Moisant Field」)も『Louis Armstrong International Airport』と変わってしまいました。

フレンチクォーターと呼ばれる市の中心部(例えるなら新宿の歌舞伎町か渋谷の宇田川町あたり)には縦横にストリートが通り、有名なバーボンストリート(Rue Bourbon)やロイヤルストリート(Rue Royal)のように観光客が安心して闊歩できる場所はこの辺りです。ミシシッピ川方向にはセントルイスカテドラル(教会)や英米戦争での南部の英雄であるアンドルー・ジャクソンの騎馬像があるジャクソンスクエアのほか、フレンチマーケット、ムーンウォークといった安全なスポットが集中しているエリアです。この界隈は本当に観光地ニューオリンズらしさを味わえるところで夜でも比較的安全です。フレンチクォーターの西端を南北に貫くカナルストリートはいわば目抜き通りで、高級ブティックや高級ホテルもここに面しています。また、ジャクソンスクエアの北側のセントピーターズ通りにある「ガンボショップ」などの地元料理のお店や「プリザベーションホール」といったジャズホールも有名で、一晩中楽しめる歓楽街と言えます。

と、今更私が説明するまでもない情報はこのくらいにして、南アと同様にヤバいのは繁華街の外でして、北側のルイ・アームストロング公園(通称サッチモ公園)は最初の訪問の際にブラブラ歩いて行ったのですが、余りのひと気の無さに拍子抜けした場所です。後で聞いたところ、この公園は毎日のように殺人が起きていて、絶対に近寄ってはいけない筆頭の危険地帯だったということを知りました。サッチモ像をのんびり撮影していたことを思うと冷や汗が出る思い出です。また、美しい田園地帯を市電が走るセントチャールズ通りというところも大変危険なエリアで、ロヨラ大学やテューレーン大学など南部の名門校を横目で見ながら「そんなにアブないのか…」と半信半疑の面持ちで市電に乗ったものでした。近郊には「プロジェクト」と呼ばれる黒人貧困層のためのアパートがあり、南アと同様に絶望的な貧困を背景とした人たちが麻薬と銃器を生きる糧にして暮らしています。麻薬中毒を遺伝子のように受け継いだ子供たちは、銃を手に入れると感情の赴くままに縄張り内に入る外国人を撃ち殺して麻薬を買うための金を奪う事を繰り返すと言います。被害にあったとしてもニューオリンズ警察では「あんなところに行く方が悪い」とほとんど相手にしてくれないとのこと。日本の危ない場所というレベルと根本的に違うのです。彼らの貧しさは100%人種差別から発しているもので、2005年のハリケーン・カトリーナで逃げ遅れたのも大部分は彼らのような黒人貧困層でした。なぜなら、交通手段がなかったからです。

かつて、1992年に訪れた時にもカテゴリー5の巨大ハリケーン、アンドルーが去った爪痕を見ました。周囲3メートルもあろうかという大木が根こそぎ倒れていて、ハリケーン銀座としての凄まじさに唖然としたものです。長々とすみませんが、続きはまた次回…

大きな地図で見る

2件のコメント

  1. ご無沙汰しております。先日TOEIC受験なさったのも、アメリカ旅行(滞在?)からくるところもあるのでしょうか?
    海外、特にUSは知識があるだけなのか、現地を訪れた経験があるかで抱く印象がガラッと違う、なんて聞いたりします。小心者の私は度胸がなくて旅行は絶望的(笑)なので、すごくうらやましいです!次回のアメリカ見聞録も楽しみにお待ちしてますね。

  2. 薄荷(ハッカ)さん
    2004年に遊びでNYへ行ったきり、もう随分行ってません。1986年頃から94年くらいまでは仕事で毎年数回は行ってましたが、私の情報はちと古いかもです(笑)。
    TOEICは単純に受けたことがなかったので好奇心で受けただけです。昨日Webで結果が出ましたが、ひょいと受けても届きませんねぇ、800点。ま、そのうちにまた挑戦してみます。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です