爪切りの詩(うた)

おっちゃんは優しい心の持ち主だ

弟たちが理不尽にものをねだっても、いつも譲ってあげてしまう

飼い主にも甘えるようなことはしない

でも時々そばに来る

ゴハンが欲しい時はもちろん、

あたかも飼いネコの本分を果たそうとするかのように

飼い主を安心させるため、そばに来てくれているのだろう

 

近頃は弟たちの傍らでずっと彼らの寝顔を眺めていたりする

一緒に寝るでもなく

寝ているそばで狛犬のようにじっと見つめている

 

先日ネコたちの爪を切った

ハナ、ぼぎはちょっとイヤがりながら切られる

ハナはぼぎが来てからというもの、なぜか切られるのをイヤがる

その姿を見られるのがイヤなのだ

その点、ぼぎの方が潔い気がする

来たころに比べて、この子は本当にいい子になった

それでも、おっちゃんは別格だ

爪を切る時も全然イヤがらない

切り終わっても、

『もうええの?』

という顔をしている

 

おっちゃんの手の爪は歳を重ねてカマみたいにくるんと伸びるし

足の爪は野太く切りづらい

でも大地を走ったりしないから、家の中では引っかかって邪魔になる

爪研ぎでは不十分

長年の経験でそれを知っているに違いない

おっちゃんはそういうネコだ

それを見てきたハナには

爪を切られることも、もちろん弟のあしらい方も

まだよくわからない

 

おっちゃんにはもう少し甘えて欲しいと思う

しかしハナやぼぎがいるところでは

しないと決めたんだね、きっと

それはそれでいい

みんなの個性なのだから

6件のコメント

  1. おいちゃんのように達観して優しい人間になりたい…
    おいちゃんまでの道はまだまだ長い

  2. おっちゃん、聞き分けいいのもちょっと寂しいで~。
    うんとわがまま言って甘えてや~。

  3. おっちゃん、もっと甘えていいんだよ。
    うちにも弟1匹、妹3匹がいる長男がいますが、モモコちゃんと似たような感じです。
    本当に良いお兄ちゃんでいてくれる彼を見ていると、「もう少し肩の力抜いていいんだよ、もっともっと甘えていいんだよ」といつも思います。
    きっと、おっちゃんの優しい心が、ボギーを変えてくれたんではないでしょうか。

  4. hanaさん
    若い者にみんな譲ってしまうのは、争うのが苦手なのもあるでしょうし、ハナぼぎを本当の弟とか息子のように思っているから、という気がします。
    モモコだけの家だったら違っていたでしょう。

  5. とんちゃんさん
    力の強さがリーダーの条件というわけではないみたいですね。
    本当のところをモモコにインタビューしてみたいです。
    とんちゃんさんちのご長男もどんな様子か目に浮かんできます。

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