したたかってなに?

こういう話題はどうかと思いますが、ちょっと言いたかったので少し。

日本人は本当にマジメだから、節電しようと言えばします。現にこの暑い中で電力がパンクすることもなく、エアコンの設定温度を上げたり、グリーンカーテンを作ったりと、よく言えば道徳的でとても民度の高い国民です。しかし悪く言えば、自分だけ好き勝手して後ろ指さされたくないし、みんなに合わせてないと不安だというのもあるでしょう。それは我慢することが悪いということではなくて、良くも悪くも世間体をとても大事にしているからとも言えます。

それだけに、中国の北京ー上海高速鉄道(中国版新幹線)のニュースに代表される、彼の国から流れてくる話題は日本人にとって非常に違和感を覚えます。もちろん抗日教育の影響もあるには違いありませんが、それにしても他国の技術援助を受けておきながら諸外国に特許を申請した挙げ句、「これはウチの特許なんで何なら日本にも輸出してもいいよ」とか、日本の会社が「法的措置も検討する」と言えば、「そんなん好きにすればいい」などとうそぶく姿勢。

日経新聞によれば、中国には鉄道メーカー大手二社のうち、南車は日本の技術供与、ライバルの北車はドイツのシーメンスによる技術供与を元に車両を開発したそうです。シーメンスはきっちり米国等で車両技術の特許出願を終えており、「中国が政治宣伝として"独自技術だ"と言い出すのはいつものこっちゃ」と冷静です。ドイツの特許は守られるので、技術料を払ってもらって無許可で輸出したりしなけりゃ別にいいよ、と構えているそうです。ところが、日本側は他国での特許を取っておらず、このままでは中国の思惑通りになるかもしれません。

人とお付き合いをするには、ニコニコしながらもキッチリ算段して臨む欧米諸国と比べて、義理と人情を信条とする我が国との違いが現れた典型的な出来事のような気がします。中国人は自国の政府や役人を歴史的に全く信用しておらず、自分の身一つで生きていくことが当たり前だと言います。翻って、我が国の国民は、ペテン師呼ばわりされる総理大臣だろうが「自分の生活のため」に生きる政治家だろうが、御上に「何とかしてくれ!」と頼ることは世間体をつぶすことにはならないから良いと考えているのかもしれません。難しい問題です。

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