Steven Paul Jobs

Steve Jobs氏の逝去については各メディアによる既報の通り、世界中に大きなインパクトを与えています。

Twitterでもつぶやいたんですが、6月のWWDC(世界開発者会議)での痛々しい歩き方から判断すると、8月のCEO辞任、亡くなる前日のiPhoneイベントにおける幹部たちの固い表情と、かなり以前からこの日が想定されていたのでしょう。
彼ほどの人なら世界最高水準の医療を受けていただろうし、実際に膵臓がん手術も腎臓移植手術も一旦は成功していたわけですから、将来はまた人々の前に姿を見せるんだと皆思っていたに違いありません。

今月、本人が初めて公認した伝記「スティーブ・ジョブズ I」「スティーブ・ジョブズ II 」が出版されるのですが、これまでジャーナリストからのインタビュー等を嫌って、公式に認めたりしなかった彼が、今回は驚くほど丁寧にプライベートなことを含めて語っているそうです。
その著者である Walter Isaacson によると、会うのが最後となった先月初めのJobs邸訪問の際、すでに死期が近いことを本人は十分に認識しており、残していく子供たちのためにそれまで話していなかった少年時代の出来事などを Isaacson に託したそうです。もう階段も上り下りできなくなっているにもかかわらず、痛みと闘いながらしっかりした表情で語ったといいます。

これまでAppleの話題を何度か取り上げてきましたが、今回は個人的な思い出話はしません。
Macでメシを喰ってきた者の一人として、言いようのない喪失感が実際あります。

もうあのエンターテイメントショウのようなプレゼンが繰り広げられることはないでしょう。
Apple自体がどうのこうのということではなく、もはやあの期待感や高揚感を感じさせる人物が現れることはないでしょう。

それにしても、困難が予想された権限の委譲、主要製品のロードマップ、宇宙船のような新社屋計画を自治体に自ら申請、公式伝記の出版と、自身の幕引きをこれだけ完璧に準備できる人がいるなんて、ビジョナリーと呼ぶに相応しい方でした。

合掌。

2件のコメント

  1. 喪失感…私はなんだか寂しいです。元々アナログ人間なので、新製品発表時に高揚感はないのですが、最近はAppleの出した製品によって世の中がじわじわと変って行く様を電車内とかで見るのが好きでした。今後も彼の偉業にしがみつく事無く、ゆっくりでいいので世間に影響力のある製品を出して行って欲しいですね。
    業務連絡:喉が治ったら是非面会してください。

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