キドニーも気になる

先日、にゃぱ♂さん経由でCat's-paw宛に大変ご丁寧なメールをいただきました。

mochaさんという方で、モモコとは病気は違うものの、以前漢方を処方してもらい重篤なネコちゃんの症状を緩和されたそうです(!)。
希望を託し、処方してくださる薬局に相談しました。

まだ、ご紹介していいのか了承をいただいていないのでS薬局さんとお呼びします。
詳細な問診票をお送りいただき、お返ししたので処方薬はこれからなのですが、問診欄の中にあった自己診断のやり方に初めてのものがあり、失礼ながら事後承諾になることを承知で掲載させていただきます。

 

腎臓の触診方法
(以下、S薬局様の問診票より)

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    <腎臓触診>
腎臓は2個あって、位置は背骨をはさんで背中側にあります。
腎不全は血液検査のCre(クレアチニン)とBUN(尿素窒素)の数値で判断します。

ただ、2個の腎臓組織の75%が壊れるまでは、血液検査ではほぼ正常値のために悪化するまで気がつかないことが多いのです。
そのため検査では正常値でも、触診で腎臓の固さを調べてある程度の目安にする事ができます。
「多飲多尿」も始まるようになります。
慣れてくれば、自宅でも自分で触診できるようになりますので、練習してみてください。

触診は猫を4本足で立たせた状態で、頭を自分の方に向いてもらいます。
両手ではさむように、猫のわき腹に左右の手の平を当てます。
両手の親指で猫 の背中を触って肋骨の一番下の骨を見つけましょう。
そこから腰へ数cm、背骨から数cm(位置は個体差があります)のあたりを軽く押さえながら探します。
腎臓の大きさは、通常はその猫の背骨2本分くらいです。

何も無ければ、腎臓は正常です。
玉子の黄身のような大きさの物があれば腎臓です。少し悪くなっています。
腎不全が進行すると、腎臓はだんだん萎縮して小さく固くなっていき、最終的には空豆くらいの固さ・大きさになって働かなくなり、尿が出なくなって尿毒症で亡くなります。
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モモコは、・・・残念ながら黄身大の腎臓がふたつハッキリ触れます。

ハナではほとんど感じません。

ボギーでは全く感じません。

今まで知らなかったので、モモコが多飲多尿なのに腎臓の数値がそれほど悪くないのが不思議でしたが、そういうことなんだと少し納得しました。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ちょっと気になってる、という方は一度試してみてください。

人が決めるべき問題

モモコの診断結果は、
・軽い貧血(赤血球が少なめ)
・GPTの数値が少々高い
・昨年よりも1kg近く痩せた(5.3kg→4.5kg)

こんなところです。
もちろん、猫エイズや白血病についても問題ありません。

今回問題になっているのは、「鼻出血」です。

やはり大変なネコの鼻血

猫が鼻血を出すというのは、100%鼻腔内の腫瘍に起因することで間違いないそうです。
その情報を踏まえて獣医さんとのやりとりをしました。

「キジトラの母」さんからコメントでいただいた情報も伝え、先生のモモコへの診断は
『ほぼ腫瘍と考えて間違いないでしょう』という回答でした。
過去の例からしても、それ以外の症例はごく僅かで良性悪性にかかわらず疑いのない症状です。
ここでは詳細な説明は「キジトラの母」さんのコメントに譲りますが、何とも厄介な病気に罹ってしまったという事実ではあります。

放っておけば、数ヶ月後には眉間やおでこに膨らみが現れ、一方の眼球がずれてくるような状態になってしまう可能性が高いです。
完全な癌の場合は、他の臓器やリンパ節、あるいは脳への転移により死に至るそうです。

病気の特定

もっとも大事なことは、どのように処置をしたらいいかというものです。
それほど危険なものなら、すぐに最先端の検査と治療が必要でしょう。
しかし、これがまた難しい。
以前にも書きましたが、この病気はX線撮影では確定がほぼできず、大学病院等の専門機関でCTスキャンなどの高度な検査を必要とするのですが、それでも初期の段階では患部の特定はかなり難しいのです。仮にCTスキャンで撮像できても、その後組織検査のために細胞を採取するには相当な技術で対応する必要があるのです。

おそらく、検査段階で全身麻酔だけでも数回に及ぶことになるでしょう。
さらに人間以上に費用はかかってくるでしょう。
費用負担については我が家の問題ですし、その判断は我が家で決めればいいことですが、それ以上に先生が問題視したのが、モモコへの身体的負担でした。

全身麻酔を何度もかけられ、組織検査にしても初期段階では目的の細胞を採取可能かわからず、ヘタをすれば何度も同じことを繰り返す可能性があるということです。
どんな苦痛が待っているでしょう。

精密検査についてはわかりました。
それ以外に何か方法はないでしょうか。

検査以外に方法は

第一に症状を特定できるかもしれない次の出血時の血液を調べる。
第二にこれら腫瘍と思しきものに効果のある薬剤やサプリメントなどを与えてみる。

このような判断で、先生は最初の診断時に私に話したということでした。
私たち夫婦でも話し合い、モモコにとっての幸せは何だろうか? という観点で考えました。

現時点で選択できる最良の方法は、EPAなどの腫瘍抑制作用のある成分を含むものを積極的に与え、また貧血対策として鉄分を多く含む食材も加えて体の内部から改善していきながら、鼻出血があればすぐに検査をする、というものです。

『今すぐ最新設備のある施設で精密検査をして早く外科手術を受けさせるべきだ』
という意見もあるでしょう。それも一つの方法かもしれません。
ですが、モモコの今後の猫生を考えると果たして医療の手にすべて委ねることを望んでいるのでしょうか?

私たちの結論

ハナやボギーを親のように見守りながら、ネコとしての教育も引き受けてきたモモコ。
彼に今私たちがしてやれることは、住み慣れた我が家で普通に過ごしてもらうことではないかとだんだん思い至るようになりました。
ですから、厳しい検査の海に送り出すよりも投薬や栄養によって少しでも長く暮らして欲しい、そう強く思うのです。

このことで、様々なご意見をいただくかもしれません。
ブログを公開している時点で、私たちの判断が招く議論は避けられないでしょう。
しかし、モモコのことは私たちが一番よく知っています。
どうか、私たちの下した難しい決断を尊重していただけますよう願っています。

夜の診察室

火曜日の深夜、モモコの右の鼻から出血がありびっくりしました。

一階の洗面台の上にいたのはわかっていましたが、厨房に行こうとふと見たらスゴい血しぶきが。
びっくりして飛び散った壁や洗面台を拭きながらモモコを見ると明らかに右の鼻に血の跡があります。と見てる間にクシャミをして、人も洗面台も壁も血しぶき。拭いてもまたクシャミと結局5回くらい繰り返し、湿ったペーパータオルで鼻を押さえてあげて15分くらいでやっと収まりました。

こんな時、ハナは真っ先に飛んできて横から心配そうに鳴くし、さすがにボギーも神妙な顔でモモコを見るしかなく、一家揃って一騒動となってしまいました。

きのうの朝、病院に行って先生にまず症状を伝え、検査は診察時間が終わった夜からとなりました。

なにしろ先生一人で全部やっているのに加え、結構人気があるので大変です。
指定された夜7時に行ってみたら、案の定まだ女性3組の方々が待ってる!
何人待っていようが、何時だろうがそんなん関係ねぇ先生なので各々気が済むまで説明しています。

薬をもらいに来たのであろう手ぶらの3番目らしき女性が、ニッコリしながらケージの中をみるので
『実は鼻血が出まして・・・』などと会話を交わしていても一向に進む気配なし。

しばらくして、ひと組目の背の高い奥さんが、パピヨンを右手でかかえ、左肩にリュックを背負い、左手には別の子犬の入ったケージを持ち、おまけに胸にはおんぶ紐で抱っこした爆睡中の自分の赤ちゃん、という出で立ちで診察室から出てきました。そこからまた会計を終えるのに時間がかかる。

とりあえず慣れているし、話し相手もいたので私はいいのですが、モモコにとってはたまったものではなかったでしょう。7時の予定が結局8時過ぎになってようやく番がまわって来ました。

今回は血液を採取して終わり、ではなく血液を解析器にかけている間もいろいろ話をしました。
体重が4.5kgに減ったのが気になるようで、背中をつまんで離す所見も「ちょっと遅いなぁ」という感じ。
検査結果の詳細は後日まとめてくれるそうですが、数字から見た第一印象は「それほど悪くない」そうでした。

少し赤血球の数が少ないのと、GPTの値がやや高めだった以外は正常値でした。
多飲多尿なのも気にはなりますが、今回の鼻血に関しては血液由来の症状では無さそうです。
後は鼻腔内の腫瘍の可能性です。これはX線くらいだと写らないんだそうで、突き止めるのは難しいようです。
そうしてる間、おっちゃんの空腹も限界の様子。丸一日食べてないので当然ですが。

そこで、もし今度出血があった時に血液を調べられるように、スライドガラスと綿棒をいただきました。そんな機会は無いに越したことはないのですが、原因がわからないままでは治療のしようがありませんから。

そんなこんなで、夜10時近くにやっと帰宅して食べている姿がCat's-pawのエントリです。

ひとまず今わかることはこんなとこです。ご心配をおかけしてすみません。

Momoko03

星になったクロ

実家のネコ、クロが逝きました。たぶん11歳。

15年以上いたベルというワンコも数年前に亡くなっており、母にとっては身近な心の拠りどころだったので残念です。

ひと月ほど前に急に食べなくなり、かかりつけの獣医さんから腎不全のようだ、と言われたそうです。この1ヶ月は点滴を受けただけで、食べ物も水もほとんど取っていなかったということです。

 

半外ネコだったクロは、私としては気が付いたら実家に居た、という印象でした。昼間の時間は外で過ごし、夕方戻ってきて母の布団でずっと眠り早朝に用を足すために母を起こしてまた外に出掛ける、そんなネコです。あまり自己主張をしたりせず(ボギーと真逆)、たまに帰省した時も『知らない人がいてイヤだなあ』とつぶやきながら仕方なく外に出ていくのを見て、軽い罪悪感を覚えたものでした。それでも冬場は寒いので、トイレタイム以外は昼間も掘り炬燵の中で寝ていることが多く、頻繁に訪れる身内や母の友人たちもクロの控えめな性格を尊重してか無理にかまったりしないでいてくれたようです。

食が細く、台所の入り口にカリカリを置いておいても1/3くらい食べたらもう口をつけないような感じで、そこに新たに足してあげると時間を置いてまた同じくらい食べる、という程度。古くなるので翌日には入れ替えるの繰り返しだったみたいです。それでも外で誰かにもらっている気配はないのでクロにとっては十分だったのでしょう。

同じような半外ネコたちが数ヶ月おきにクロの気を引こうと庭に来るのですが、全然相手にしないため結局来なくなってしまうなんてこともありました。母が避妊手術やワクチン接種をさせていたので大きな病気もせずにいましたが、FIVのキャリアということで多少は心配でした。外で病気のネコと何かあったら発症する可能性は高いですから。

8年間くらいだったでしょうか。とても穏やかな時を過ごせたのではないかと思います。母のところへ身を寄せなければどうなっていたでしょう。クロが「ここに来てよかった」と思ってくれていたら、それだけでいいです。

Kuro

 

金と銀のオッドアイ

大いなる時の流れ

年が明けてから実家に帰ったら、相変わらず無駄に風が吹く時間が多いところだなあという印象です。

母が飼っているクロは半外ネコなので、トイレはすべて屋外、食う寝る所は家の中という老ネコ。
最近はあちこちにガタが来ているようですが、猫生のすべてを母に捧げているかのごとく、常にベッタリとくっついています。

昨年の震災以来、より不透明になったこの国の未来のことなどを母と話しているうちに、おもむろに昔の写真を引っ張りだしてきたので見てみると、初めてお目にかかるものが沢山ありました。

 

 

Showa17nen

 

この写真は、おそらく昭和17年頃のものと思われます。
右側で満面の笑みをたたえた少女が私の母です。たぶん5歳くらい。
左は彼女の父親、私にとっては祖父です。出征の前ではないか、ということです。

幸い祖父は無事に帰還し、その後ずっと元気に働き続け、85歳の天寿を全うしました。

母はこの写真の正確な場所や時間が思い出せないようですが、あの当時これほど無邪気な笑顔を記録できたのはどうして、という問いに対しては答えが見つからないようでした。

NHKの現在の朝ドラ「カーネーション」で描かれている時代に重なるこの写真には、多感な少女時代に惨たらしい戦火の中くぐり抜け、今に至るまでの長い年月を経てきた名も無き一人の人間が語る歴史の一片が表現されているような気がしてなりません。

わかったような心持ちで戦争や震災を語ることではなく、人間の営みにとって何が大事なのかを考えるきっかけを与えられた出来事でした。

最近のようす

ニャンズの近況を少し。

多くの皆さんが心配してくださっているモモコですが、ひとまず食欲は今のところ問題ないようです。
しかし、食べるのが何しろ遅くなりました。カミカミしながらも、しょっちゅう器を背にこちらを見つめ、また振り返って食べるの繰り返し。口の中はキレイだし結局は完食することがほとんどなのに一仕事という感じです。ハナぼぎを押さえながら何とか食べ終えてもらうのがやっと。
彼らにとって最高の楽しみであるゴハンのはずが、見守る我々にとってもモモコに関してはなかなか気の抜けない時間になってます。
何度も言うように部屋を分けたりしてしまうと変な好奇心を生むので、全員に実情を理解してもらうことが悲願です。

水をよく飲むので腎臓の心配もしますが、背中の皮の戻りもそれほど悪くないし、最近はもどすことも随分減りました。春の血液検査で数値が改善していたこともあり、当時よりも今の方がむしろ体調はいい気がします。心配するとキリがないですし。

ハナは、ブログの写真でご覧の通り健康優良児以外の何ものでもない状態です。好き嫌い無く食べるし、少し前に軟便だった時がありましたが今は絶好調に戻りました。再三言ってますが、彼は遺伝的にも肉体的にも相当恵まれたネコだと思います。時々思うんですよね、ハナがもし人間だったらスポーツ選手を目指してもらうとか夢がふくらむなぁ、と。ボギーと違うのは何といっても「身のこなし」なんですよね。力任せにがむしゃらな動きはないんです。ハナの動いている動画を見ると分かると思うんですが、適度に力の抜けたリズミカルな感じは、私が言うのも何ですが優雅ささえ感じます。瞬発力も必要な時はまさに驚異的です。本当に天から与えられた運動能力というか、持って生まれた才能のようなものが備わっているネコなのかもしれません。
ただ、現状の肉付きは多少行きすぎているとは思います(汗)。

さて、ボギーですが。
一言でいえば、あんまり変わりません(笑)。もちろんどんどん愛が伝わっている実感があるので、不器用な甘え方(一方的すぎる?)にも拍車がかかっていて、相変わらず間の悪い時を選ぶように『おれを可愛がれ』と迫ってくるし、ではと撫でれば本気で囓るし、その勢いで兄ネコたちに絡んで行くし、叱ると走って回ってワーワー鳴きまくるし、という感じ。
とはいえ、夜は自分から人のベッドに潜ってきて夜明け前まで何があっても起きない様子とか、途方に暮れてこちらをジッと見つめている姿は掛け値なしに可愛いと思いますし、タワーの上でごめん寝してる時など撮っても仕方ないのについカメラを構えてしまう自分がいます。

ラッシュアワー時のトイレも大変です。でも感心するのはこれほど秩序を保って順番に用を足し、絶対に他者に対して干渉しないというネコの習性です。私はボギーがトイレの邪魔をしたらどうしようと不安でしたが考えすぎでした。ネコたちの何がエライか、このトイレ文化というべき意識には感服します。

こちらのブログはサボっていたので、もう少しマメにつぶやいていくようにしたいと思います。

Steven Paul Jobs

Steve Jobs氏の逝去については各メディアによる既報の通り、世界中に大きなインパクトを与えています。

Twitterでもつぶやいたんですが、6月のWWDC(世界開発者会議)での痛々しい歩き方から判断すると、8月のCEO辞任、亡くなる前日のiPhoneイベントにおける幹部たちの固い表情と、かなり以前からこの日が想定されていたのでしょう。
彼ほどの人なら世界最高水準の医療を受けていただろうし、実際に膵臓がん手術も腎臓移植手術も一旦は成功していたわけですから、将来はまた人々の前に姿を見せるんだと皆思っていたに違いありません。

今月、本人が初めて公認した伝記「スティーブ・ジョブズ I」「スティーブ・ジョブズ II 」が出版されるのですが、これまでジャーナリストからのインタビュー等を嫌って、公式に認めたりしなかった彼が、今回は驚くほど丁寧にプライベートなことを含めて語っているそうです。
その著者である Walter Isaacson によると、会うのが最後となった先月初めのJobs邸訪問の際、すでに死期が近いことを本人は十分に認識しており、残していく子供たちのためにそれまで話していなかった少年時代の出来事などを Isaacson に託したそうです。もう階段も上り下りできなくなっているにもかかわらず、痛みと闘いながらしっかりした表情で語ったといいます。

これまでAppleの話題を何度か取り上げてきましたが、今回は個人的な思い出話はしません。
Macでメシを喰ってきた者の一人として、言いようのない喪失感が実際あります。

もうあのエンターテイメントショウのようなプレゼンが繰り広げられることはないでしょう。
Apple自体がどうのこうのということではなく、もはやあの期待感や高揚感を感じさせる人物が現れることはないでしょう。

それにしても、困難が予想された権限の委譲、主要製品のロードマップ、宇宙船のような新社屋計画を自治体に自ら申請、公式伝記の出版と、自身の幕引きをこれだけ完璧に準備できる人がいるなんて、ビジョナリーと呼ぶに相応しい方でした。

合掌。

寛容すぎる

とにかく今年はこれでもか!というくらい災害がやってきます。年末に清水寺のお坊さんが書く「今年の一文字」は『災』になるでしょう。

日本国民の厄年がいっぺんに重なったとしか言いようがありません。
ぼちぼち総括して欲しいですが、南の海にはまだ台風の子供がウヨウヨいるようです。また今回くらいのが来たら・・・諦めるしかないのでしょうか。

それにしても、本日午後首都圏の駅での混乱ぶりを報道で見て、とことんこの国の精神性を実感しました。昨日の時点で東京には18:00頃直撃しそうなことがほぼ分かっていました。何より、東海地方に14:00くらいに上陸するということは関東も暴風域に入るし、勢力からしてやがて交通機能がメチャクチャになることは100%予想できたのに、直撃時に起きている駅の大混乱。聞けば大手企業は15:00くらいに帰宅を指示したところも結構あったようですが(銀行も)、16:00過ぎには各鉄道が運転見合わせになってしまったので帰宅途中に電車内で立ち往生という人も多かったのではないでしょうか。ウチの奥さんは16:10に会社を出されて、駅に着いた時点で既に電車は動いていなかったそうです。

取引先がやってる限り閉店は断固許されない、ということ? そうなんでしょう。それが日本なんでしょうね。ある意味、3月11日の時のように電車が走らないなら歩いて帰る、というのも今回は難しい選択だし、「いや、人身事故なんかでこんなの慣れてるから」という方もいるかもしれませんが、やはりスゴい国民なんだなと改めて思いました。
台風ごときでオロオロするな! という声が自分自身の内部から沸き上がってくるんでしょう。

でも、自分の身に何かが起こった場合、誰かが責任をとってくれるわけでもなさそうです。
「もしかしたら来るかもしれない」台風が来てしまったなら、「まいったなあ」で済ませられても、「絶対○○時に来る」台風が引き起こす事態にあえて臨んで、「まいったなあ」と言うのは危機管理としてどうなのかなあと思いました。

巻き込まれた皆さま、お疲れさまでした。

Appleのこと

Appleの経営陣が変わりました。
私はつい最近まで同社のコンピュータを10年余に渡って修理する仕事をしていました。

そもそも、元々飲み屋のおやじだった身で、離職後にデザイン会社を共同で立ち上げたのがMacとの出会いでした。それまではCanonのワープロ専用機くらいしか触ったことがなかったのに、最初見慣れないデスクトップ画面に戸惑っていたことを覚えています。

今では信じられませんが、13インチのCRTディスプレイに写真画像が表示されるのを見て感動したものでした。アプリケーションソフトというものが存在し、パソコンでそれを使って業務が効率化できるなんてことをまさか自分が目の当たりすることになるなどとはその時まで想像すらできませんでした。文系の私は、Appleの歴史を飾る初期の名機などは全然知らず、最初に出会ったQuadra 700(会社のパートナーの私物。周辺機器やDTPアプリ合わせ200万ほど)に魅せられ、当時たった25MHzしかなかったCPU、4MBのRAMを20MBに増設するために10万円近くかかったメモリ代の高さにも拘わらず、トータルではMac自体に人類の未来を感じていました。

その後何を思ったか、時々遭遇する爆弾マークに妙な好奇心を覚え、原因は何なのかを考えることが最大の関心事になっていきました。Niftyのパソコン通信や創生期のインターネットを駆け巡って情報を探し、自己流ではあるものの、次第にトラブルへの対処法を身につけて行ったわけです。凝り性といえばそうなので、徐々に事務機販社などから顧客対応を依頼されるようになり、その後正規サービスプロバイダの中で大手広告代理店の常駐保守などを経てApple認定技術者として広く仕事をしてきました。

どちらかというとMacに思い入れがあったため、トラブルに憤っている人を見ると「そう使うようにはできていないんだけどなあ」とか、「バグだから大騒ぎしても仕方ないのに・・・その機能使わなけりゃいいだけだよ」なんて思いつつ、直る見込みのないものは直すフリをしたりしたこともないわけではありません。
仕事の道具なので使えないと意味がないのは尤もですが、オートメーションのロボットぢゃないんだから遭遇した不具合を回避して作業続けるくらいちょっと考えたらどうかと思うこともしばしば。

例えば、今自分でも困っているSnow LeopardとLionでも起きているSafari5.1での検索窓に日本語が入らなくなるバグ。イライラします。ATOKも関係なさそうだし、考えられるとすれば悪名高いFlashしかないと思いますが、AdobeのFlashをこの世から抹殺したいAppleの作戦かどうかは不明なものの、仕方ないので別のブラウザ使うとか、現実にはWebkitのNightly Builds(Safariのオープンソースコミュニティがリリースする開発版)で回避してます。ここまで広範囲に知られた限りはバグなんですよ、どっちかの。だから修正されるまではジタバタしてもしょうがない。それなら問題のない別のブラウザ使うしかないでしょう。

私はAppleの事業の中心がiPhoneやiPadといったモバイルに移行したのは、単に時代の趨勢を先読みしたとか革新的なデバイスだからとかという理由ではなくて、OSを他社の不本意な技術に影響されず、自らが純粋にコントロールできる安定を提供するための手段ではなかったかと思っています。
つまり、Androidのようなオープンな環境は確かに素晴らしいが、『採用した各社の開発者が全部責任とってね』という手法はとらず、『全責任は自分たちがとるのでアプリは審査するよ、そのかわりアブナイものはブロックします』とでもいえる姿勢でしょうか。世界で唯一ソフトもハードも自社製造という立場を最大限に生かそうという優位性かもしれません。

Jobsが戻ってからのAppleは一貫してこのような思想を持っていたと思います。私自身、そのあたりに共鳴したことで、とっ散らかったようなWindows OSの見苦しいフォントや一貫性のないインターフェイスに嫌悪感を覚えてしまったのは間違いありません。Adobeがユーザを置き去りにしてだんだんゼネコンみたいな商売の仕方になってきたことも同様の違和感を感じます。だいたいFlashなんて言ってみればホウキにモーター付けてホースをつなぐとこんな便利になりました、みたいな存在に見えます。つまり、もう時代遅れなわけです。危険な付属品などなくても家自体にHTML5という道具があるのにというのが私の考えです。

話が逸れましたが、Appleの今後というのはメディアが騒ぐほど悲観しなくていいと思います。
Steven P. Jobs一人のチカラですべてが成り立っていたわけではないでしょう。だいたい本人が社内に留まると言っているのに、まるで死んでしまったかのような報道が多すぎます。
Appleの製品が優れているというよりは、他社の製品がお粗末なだけなんですよ。私自身、携わったインターナショナルなサービスの部門のシステムを経験してみて、ハードとOSの両方から考えられた修理マニュアルというのは他社にはマネできない強みであると言えます。かなり頑固な運営の仕方に困らされた経験も少なくありませんでしたが、技術者にとっては判断しやすい環境を与えてくれるのがAppleでした。

花火Party in Yokohama

天気が心配される中、土曜日はmiruraさん♂さん宅での花火見物に行ってきました。

今回は私たち夫婦と、去年保護されたブラザースの一員玉三郎君のご両親、そして現在トライアル中のチャーリーを預かっておられた横浜Cafe Miysisさんの5人がご招待いただきました。♂さんがネコたちを保護していなかったら絶対に出会わなかったあろう面々がこうして集まることができたわけですね。

事前に『ちびは熱烈不歓迎で迎えます。アイの姿は見られないかもしれません』という予告があったのですが、お宅に入るなりちびちゃんいらっしゃるではありませんか。

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しかし、ご挨拶の途中でしっかり「シャ〜」を喰らいました。さすが箱入り娘。
一方、アイシス嬢といえば、

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こちらの不歓迎ぶりは徹底しております。
テレビの後ろで身の安全を確保なさり、皆のスキをついてmiruraさんの部屋へ直行。そこにも魔の手が忍び寄ると、今度は♂さんの部屋へ潜伏先を変えて逃避行をお続けになります。ごめんよー

The Cat Who….家は、なにしろキレイ。新築マンションの展示ルームと何ら変わりません。断捨離を極めたい方はmiruraさんに一から教わることをお勧めします。すべての床に無駄なモノは一切なし! 普段から片づけ上手を自負する方でも確実に己の無力さを味わうことができるでしょう。ぱないっす…

降る降ると予報では言いながら、でも結局花火が始まる頃には降り出してしまいバルコニーでの見物はできませんでしたが、10階の高さから眺める近距離の打上花火は見事というしかなく、雨が降っているのも忘れさせてくれるひとときになりました。夏は花火です、はい。